「ゴミは有料で捨てる」という新しい価値観、有料ゴミ箱を観光地に展開

プレスリリースより

JTBは、観光地のゴミ問題に取り組んでいますが、その中心となるのが有料ゴミ箱です。昨年は京都と川越で実証実験を行いましたが、その存在をなかなか気づいてもらえないという課題が残りました。そこで今年は、モード学園の学生と共同で、よく目立つ有料ゴミ箱をデザインし、再び京都と川越で実証実験を行うことにしました。

観光地での食べ歩きやお弁当などで出たゴミは持ち帰るのが常識ですが、どうしても持って歩けないときにお金を払ってでも処分してほしいと思ったことはありませんか? そんなニーズに応えるのが有料ゴミ箱です。JTBは、観光地のごみをテーマにした地域共創型ソリューション「Go!ME」を展開いています。「有料で、その場でごみを処分してもらう」という新しい価値観を提供して、環境と地域社会に貢献するという事業です。

利用者は、ごみ箱の2次元バーコードを読み込んでスマホ決済を行い、ごみを捨てます。集まったお金はごみの処理費用に使われますが、その金額と利用用途がウェブサイトで公開されるという仕組みです。

2022年の実証実験では、京都の綿市場商店街で利用回数が10件(回収金額1118円)、川越一番街商店街で47件(4255円)(料金は1回53円、100円、500円の3段階ありました)。コロナ禍により観光客が激減し、利用が想定を大きく下回ってしまいました。また、視認性と認知度が低いために、ごみ箱の存在が気づかれにくく、メッセージが伝わらなかったこともあります。ごみを有料で処分するという新しい価値観がどれだけ受容されるかを検証するのが目的でしたが、不運な結果に終わりました。しかし若い人たちを中心に、この取り組みに対するポジティブな意見が多く、地元からは継続的な取り組みに賛同する声が多かったといいます。

再チャレンジとなった今年の実証実験(2月10日から3月10日)では、視認性を高めるためにモード学園の協力を仰ぎ、学生たちからよく目立つごみ箱のデザイン案を募りました。そして、審査で選ばれた2点が配置されることになりました。京都着綿市場商店街に置かれているのは、大阪モード学園の学生がデザインしたものです。東京オリンピックで話題になったピクトグラムを使い、ゲーム要素も加えて楽しめるデザインにしたとのことです。

京都綿市場象限外に置かれる大阪モード学園の作品

京都綿市場象限外に置かれる大阪モード学園の作品

川越一番街商店街に置かれているのは、名古屋モード学園の学生がデザインしたもので、写真がSNSで広がるようなデザインにしたということです。
川越一番街商店街に置かれる名古屋モード学園の作品

川越一番街商店街に置かれる名古屋モード学園の作品


Go!Meごみ箱は、現在、京都綿市場商店街に9箇所、川越一番街商店街に20箇所設置されています。今回は、料金は100円に設定されています。3月末に、Go!ME専用サイトで結果が公開される予定です。JTBでは、この実証実験の結果を踏まえて、2023年4月にこれを事業化し全国展開すると話しています。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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