バイオテックへの好ましい流れ
今回のシードラウンドを主導したのは、Supply Change Capital(サプライ・チェンジ・キャピタル)。米食品大手General Mills(ゼネラル・ミルズ)の投資部門「301 INC」の支援を受けたフードテック専門ベンチャーキャピタルだ。シードラウンドには他にも、Be8 Ventures(世界的食品複合企業ドクター・エトカーが支援)や、CheilJedang(CJチェイルジェダン、韓国の世界的発酵食品企業)なども参加した。
マイクローマは、今回調達した資金で、従業員を現在の15人から倍増する予定だ。さらに、研究開発部門に力を入れ、ゆくゆくは天然調味料の開発を目指すほか、菌類の事業を拡大したい考えだ。
マイクローマを支援する投資会社は他にも、FEN Ventures、Boro Capital、The Mills Fabricaなどがある。エンジェル投資家には、アレン・マイナー、Keiretsu Japan Forumの植木潤とスティーヴ・ザーカー、ギエルモ・ローゼンタール、フランコ・ゴイティア、パブロ・プラ、マット・トラヴィザーノが名を連ねた。既存の投資会社は、SOSV傘下のIndieBioとGRIDXだ。
マイクローマは現在、欧州に生産を委託しているが、2年以内には米国の規制ハードルをクリアできる見込みだ。これに関してカッシーニは、培養肉に対するFDAの現在の姿勢を指摘している(FDAは2022年11月、動物細胞を培養した培養肉を、食用として初めて認可した)。
「バイオテックがトレンドとなる流れが現在、起きている。それに、培養肉セクターと私たちのセクターは、生産プロセスが似ている。前者は哺乳類細胞の培養、後者は、バクテリア(細菌)や酵母(イースト)、菌類の培養だ」とカッシーニは説明する。「ただし米国には、着色料の安全性を確保するための特別な承認プロセスも存在する」
(forbes.com 原文)