会社で実現すべき、次のイノベーションを見極める方法

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顧客の悩みを明らかにする上で有利なのは、おそらくスタートアップではなく大企業だろう。大企業は、面談を設けたり電話したりできる顧客を多く抱えている。フォーブスの「グローバル2000(Global 2000)」ランキングに名を連ねる企業は全て、数週間で数百件の面談をこなせるかもしれない。一方スタートアップは、その10分の1の規模でさえ苦労する可能性がある。

もちろん、大企業でも苦労するかもしれないことはある。(たとえ聞きたくないことでも)フィードバックをきちんと聞き入れることや、顧客インタビューを売り込みに変えないことだ。聞くこと、率直なフィードバックを受け入れること、フィードバックに対し自己防衛的にならずに対応することは、多くの会社が簡単に実践できるスキルではない。

筆者のコンサルティング企業リーダーシップIQのフィードバックに関する調査を例に取ろう。この調査によると、自分の企業では従業員からの良い提案や正当な苦情が必ず重要な変化を生むと答えた人はわずか6%だった。また、役員チームの能力に関する別調査では、役員らはためらわず互いに反対意見を述べられるという文に対し、非常にそう思うと答えた上級管理職はわずか14%だった。

内部の「ユニコーン」を解き放つイエーツの手法を最大限活用するには、顧客の悩みを明らかにし、それを聞き入れ、評価しなければならない。イエーツは「顧客の悩みを見つけられない、あるいは解決策の構築が可能ではない場合、その事業をやめる自制心が必要だ」と述べた。

シリコンバレーでの経験が豊富なイエーツは、顧客の悩み(あるいは悩み自体がないこと)を全く理解せず、推定のみに基づいて行動したイノベーターが直面する危険を十分理解している。

「非常に賢いエンジニアらが会社を創業したものの、悩みを見つけてから解決策を構築する代わりに、最初に商品を作ってから悩みを探し始めたことが原因で不成功に終わったスタートアップが、シリコンバレーには何千社とある。自分は全ての答えを知っていると考え、実際に顧客を取材しようとさえ考えなかった人が多い」(イエーツ)

forbes.com 原文

翻訳・編集=出田静

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