セミナーで試飲コメントを担当した、コンラッド東京の森覚ソムリエは、「黄色い果実、石のミネラルがあり、繊細で抑制が効いて、緻密なワイン。また柔らかい質感、酸による引き締めがある。最初は横に広がり、だんだん引き締まって、メリハリがきいていて味わいに抑揚がある」と表現した。
アイ・ブロックのソーヴィニョン・ブラン。1945年に植樹された古木
ト・カロンの魅力を存分に引き出すシュレーダー
次に紹介したいのが、数々のワインメディアや評論家から100点満点を獲得している、ナパ随一の生産者、シュレーダーだ。このワイナリーは、ナパ最高の畑からベンチマークとなるカベルネ・ソーヴィニョンを造ることを目的として、1998年にフレッド・シュレイダーが設立。後に醸造家としてトーマス・ブラウンを迎え入れて、極上のワインを世に送り続けている。スケールが大きいシュレーダーのワインは、果実味が豊かでシルキーなタンニンで、リッチな味わいだが、決して重たすぎず、上品さも感じられるワインだ。
「RBS Cabernet Sauvignon」はト・カロンのカベルネ・ソーヴィニョン100%で造られ、森ソムリエは、このワインを「ボタンなど華やかで甘やかな花の香りで、広がりがある。また果実をそのままほうばっているような果実の集中度があり、タンニンが溶け込み、ジューシーな味わい。テクスチャが滑らかで、フィネスやエレガンスを感じる」と表現。
そして、最高のカベルネの樽を選抜しブレンドした、長期熟成向けの「Old Sparky Cabernet Sauvignon」は、非常に濃厚な黒系果実にチョコレートやコーヒーのニュアンスが加わり、パワフルで複雑なワインだ。
壮大なスケールのシュレーダーのワイン
さらに、シュレーダーが手がける「Double Diamond Cabernet Sauvignon」は、2022年のワイン・スペクテーター誌のトップ100ワインで見事、一位に輝いたワイン。ト・カロンのブドウも一部ブレンドされ、プラムやチェリーの明るい果実が親しみやすく、今すぐにでも楽しめる味わいに仕上がっている。手が届きやすい価格も人気を後押ししている。