FTX破綻など逆風のWeb3 「冬の時代」でも日本がチャンスの理由

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水野:日本企業のWeb3投資機運はどう見ていますか?世界と少しズレを感じるのですが。
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六人部:それが良く作用している気もします。2022年は、暗号通貨Terra/Lunaの暴落、取引所FTXの破綻など、ネガティブな出来事がありました。しかし、日本は一連のイベントで痛い目にあわなかったおかげで、海外と比べると投資控えムードになりすぎていないという感じがします。

資金を入れるにはバリュエーションも低いので良いタイミング。実際、NTTドコモがWeb3への巨額投資を発表していましたし。真面目に事業に取り組む人たちを見つけやすくなっています。自社の事業に合ったやり方を模索したり、情報収集にもいい時期だと思うんです。

冬の時代だからこそ、投資家にとっても起業家にとってもチャンスではないでしょうか。
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水野:ジャンル的に調達しやすいとか、敬遠されがちなものの傾向はあるんですか?

六人部:一部、今年の夏あたり、金融系のプロジェクトへの投資を控える動きもありました。ただ直近ではまた変わってきていて、各ファンドによって方針を決めているんじゃないでしょうか。例えば、GameFi(ブロックチェーン型ゲーム)だと、一つのソフトでは出資しにくいが、複数出していれば検討できる、という投資家やファンドもあると思います。

水野:これは分かりますね。「ゲームを作って一発当てよう!」みたいな会社はVCの投資対象になりにくいですよね。これはWeb3に限らずというところかもしれませんが。

六人部:僕が個人的に期待しているのは、すでに多くの個人が利用する、これまでのインターネットのサービスにトークンをかけ合わせた領域です。ユーザー数が250万人以上いるアメリカの「Reddit」のアバター販売開始は、まさにその好例ですね。すでに数十億人が利用しているWeb2の世界にトークンを入れていく。そういう事業が大きなプロジェクトになるんじゃないかと期待しています。

次回は、多様化するWeb3の資金調達についての記事をお届けします。

文=水野和寛 編集=露原直人

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