世界へ「発信」する都市
羽田空港から車でわずか20分、“グローバルビジネスセンター”として世界の人を受け入れる虎ノ門ヒルズの要となるのが、ステーションタワーの45〜49階に完成する合計1万平米の情報発信拠点、「TOKYO NODE」だ。NODEは“結節点”の意味。そこには、バーチャル配信などXR時代に対応するメインホール、森美術館に匹敵する広さのギャラリーのほか、地上250mの屋上に広がるプール、ガーデン、レストラン、ラボ(8階)が併設され、ジャンルを超えたコラボレーションを促進。“新しいもの”が生まれる場所、あるいはそれを世界に発信する場所とすることで、東京の磁力を高めていく考えだ。
46階のメインホール「TOKYO NODE HALL」(c)DBOX for Mori Building Co., Ltd.
虎ノ門ヒルズの意義について辻社長は、「森稔会長は常々、国際的な都市間競争にどう勝っていくかという話をしていた。世界中のヒト・モノ・カネ・情報を惹きつける、磁力のある都市にすること。それには国際水準のオフィスやカンファレンススペース、住居があるだけでは足りず、文化や自然など、グローバルプレイヤーが求める都市機能をコンパクトに集積する必要がある」と説明。「それに対する森ビルの答えが、ヒルズです」と語った。
9年をかけて拡大・進化してきた街がひとつの節目を迎えるなか、森ビルはこの秋、「麻布台ヒルズ」の開業も控えている。六本木ヒルズと虎ノ門ヒルズの間にあたる同エリアには、「グリーン&ウェルネス」をコンセプトとする新しい街が完成する予定だ。
六本木ヒルズの20周年という年に、2つのヒルズ完成を迎える思いを聞かれた辻氏は次のように意気込み語った。
「街をつくり、育み、20年成長を続けてきた六本木ヒルズは、2022年12月の人出が過去最高を記録した。そこで学び、肌感じてきたことは大事な経験である一方で、時代やテクノロジーの変化を受け入れ、進化していかなければ世界の都市から遅れてしまう。進化・発展を続け、東京の磁力を高めていきたい」