そこからは3月に迫る就職情報の解禁を前に、2024年卒の大学生たちに人気の業界や就活の準備状況などが見えてきた。
志望業界の決定状況について尋ねると、「明確に決まっている」と答えた学生は35.2%。前年(34.1%)を上回ったほか、「なんとなく決まっている」(42.4%)も前年(40.4%)比でプラスに。学生が志望業界を決める時期が早まっていることが分かった。
具体的な志望業界については、全体で1位が「情報・インターネットサービス」で19.2%。2位は「情報処理・ ソフトウエア」(18.4%)となり、前年に続きIT業界に人気が集まる結果となった。
中でも「情報・インターネ ットサービス」は、文系・理系、男女問わず全てで5位以内に入り、多くの学生が行きたい業界としてあげた。属性別に見ると、文系では男子の1位を飾ったのが「銀行」(22.1%)で、女子は「マスコミ」(26.3%)。理系では男子が「電子・電機」(25.6%)、女子では「医薬品・医療関連・化粧品」(25.5%)が1位となり、男女とも製造業が上位の多くを占めた(5つまで選択可)。
就職先を選ぶ時に重視する点については、文系理系とも1 位「給与・待遇が良い」、2 位「将来性がある」の順で同じに。いずれも 4 割を超え、他の選択肢を引き離した。3位以下については、文系では3位「福利厚生が充実している」(32.4%)、4位「休日・休暇が多い」(31.4%)、5位「職場の雰囲気が良い」(30.1%)と続き、働きやすさを優先。
一方、理系では3位が「大企業である」(33.7%)となり、文系(21.1%)を大きく上回ったほか、「業界内の順位が高い」の割合(20.8%)でも文系(15.6%)を超えるなど、大手志向が顕著だった。
インターンシップ等のプログラムへの参加経験については、「ある」と答えた学生が 9 割超を占め、ほとんどの学生が参加経験を持っていた。参加プログラムの日数で最も多かったのは「1 日以内」で約 9 割。他にも調査では2〜4日間、5日間以上のプログラムへの参加状況についても尋ねたが、全期間で参加学生の割合は前年を上回った。
インターンシップ等への参加経験がある学生のうち、参加後に企業からアプローチを受けた割合は9割強に。本選考(採用選考)の受験状況を尋ねると、すでに「受けた」の回答が過半数を占め、「内定を得た」の回答は14.9%に上った。内定取得者のうち8割超が、インターンシップ等の参加企業から内定を得たと回答しており、企業が早期に学生を囲い込む動きを強めている様子がうかがえる。
さらに、3 月の就職情報解禁までにどのように準備を進めようと考えているのかを質問すると、最も多かった答えは「早期選考を受けたい」で6割超に。解禁までに本選考を経験しておきたいと考える学生が多いことがわかった。
学生からは、解禁までに「1 つでも内定をとり、安心した状態で志望企業の選考を受けたい」「既に入ってもいいと思う会社の内定を持っているので、その会社より行きたい企業のみに絞って就活すれば十分だと考えている」というコメントが。早期内定をステップとして、本命企業への内定獲得に本腰を入れたいという学生も目立つ。学生の売り手市場は、今年も続きそうだ。