2022年末に実施されたこの調査によると、対象となった世界28カ国のうち、政府よりも企業を信頼する傾向が最も高かったのは南アフリカだった。これは主に、南アフリカでは政府への信頼度がとても低いことによる。
南アフリカでは近年、汚職スキャンダルが相次ぎ、「国家の収奪」などと呼ばれることもある。今回の調査で政府を信頼すると答えた南アフリカ人はわずか22%だった。企業への信頼度は62%と平均的だったものの、政府への信頼度があまりに低いため、前者が40ポイント上回る結果になった。
メキシコも政府より企業を信頼する傾向がかなり高かった。メキシコの場合、政府への信頼度は平均以下だった一方、企業への信頼度は高く、後者の方が24ポイント上回った。
調査対象国のなかで政府への信頼度がとくに低かったのは、アルゼンチンやナイジェリア、日本、英国、スペインだった。アルゼンチン、ナイジェリアはそのため企業への相対的な信頼度がそれぞれ2番目と3番目に高い国になっている。米国では、政府への信頼度も企業への信頼度も平均的だったが、両者の比較では企業への信頼度が13ポイント上回った。日本も企業への信頼度のほうが政府よりも14ポイント高かった。
抑圧的=信頼できる?
政府への信頼度と企業への信頼度が同程度だった国々は、どちらに対しても非常に中立的な姿勢をとる傾向にある。ドイツやスウェーデン、カナダ、フランスがこうした国に当たる。一方、政府への信頼度がまさっている国々の場合、おおむね政府も企業も信頼している傾向がみてとれる。たとえば、中国では企業への信頼度が84%、政府への信頼度が89%、サウジアラビアでは企業への信頼度が73%、政府への信頼度が83%となっている。同様に政権が抑圧的になりがちなシンガポールやアラブ首長国連邦(UAE)でも、政府への信頼度は高いという結果になっている。
(forbes.com 原文)