全米経済研究所の研究結果は「決定的に重要なことも示しました」とローベルは付け加えている。「取締役会の取り巻きでなく、異なる経歴を持つ取締役は、経営陣の監視においてより良い仕事をするのです。つまり、このアルゴリズムは、取締役選任における人間のバイアスが、多様性だけでなく、ビジネスにとっても悪いものであることを示すのに役立っているのです。また、企業の監視役として汚職を暴くことに積極的な、外からきた企業役員と同様、アルゴリズムには生来の利益相反がないのです」
より高いレベルのポジションを求める人々にとっても、利用可能なデジタルツールがある。「『Know Your Worth(ノウ・ユア・ワース)』のようなアプリなど、給与情報のデジタルクラウドソーシングは、知識の集中を逆手に取り、女性や有色人種が自分たちが低賃金で過小評価されていると認識できる方法でもあります」とローベルは付け加える。「これによって、賢い企業リーダーは、この過小評価されている人材を採用したり、引き抜いたりすることができるのです」
より多くの人を管理職にするために、現在のビジネスリーダーやダイバーシティ推進者はどのような行動をとればよいのだろうか。ローベルは、まず何が人を会社から離れさせているのかを知ることから始めるようアドバイスしている。「データ分析によって、女性やマイノリティが不当に会社を去る理由のパターンを特定することができます」と彼女は説明する。「例えば、通勤時間が理由だとすると、会社は在宅勤務のテクノロジーに投資すべきですし、仕事と家庭のバランスが理由だと、会社はもっと柔軟に出産や育児のための休暇を設けるべきでしょう」
(forebes.com 原文)