しかし、これらの新車デビューや展示は、サロンのほんの一部に過ぎない。ショーの楽しさ、実用性、そして気まぐれな側面は、大きな自動車メーカーから離れた場所で明らかになる。ヴェイルサイド、トップ・シークレット、リバティー・ウォーク、HKS、トラスト、GReddy、ブリッツ、DAMD、クスコ、フジツボ、レイズ、RE雨宮、オートバックスなど、国内の“チューナー”や“カスタマイザー”を中心に、タイヤ、ホイール、マフラー、排気系、サスペンション、シートやエンジン強化キットなどのパーツを製作者が大集合していた。
日産自動車のアシュワニ・グプタCOO(最高執行責任者)は、2024年モデルのGT-Rを発表した。
24年モデルのGT-Rを紹介する日産の川口隆志主査。
ダウンフォースを13%強化した日産GT-R Nismo仕様。
今回は、ダウンフォースを13%向上させるフロントとリアのデザイン変更、そして軽量カーボンファイバー製スポーツシートと排気音をチューニングした新型GT-Rの重要性を強調。急ピッチで電動化へスイッチしている自動車界を見ていると、2007年に発売されたGT-Rのガソリンターボのパワートレインが時代錯誤になりつつある。GT-Rが完全にリフレッシュされるか生産中止される前に、できれば2025年までにハイブリッド化またはEV化を期待したいところだ。
トヨタのガズーレーシングのブースでは、モータースポーツとスポーツカーの世界におけるトヨタのすべてを展示していた。世界ラリー選手権で優勝したGRヤリスや特別仕様車がステージで脚光を浴びる中、その隣では、電動パワートレインを搭載した初代AE86クーペと、1.6リッターエンジンを改良し、ガソリンではなく水素で駆動する懐かしいスプリンター・トレノが未来への道を指し示していたのである。また、ステージ上で豊田章男社長本人がテレビ番組に出演し、電気自動車や水素自動車の魅力をアピールしたことも、トヨタの存在感を高めることになった。
豊田章男社長が、EVと水素車の魅力を語る。
電気と水素でそれぞれ駆動する懐かしいスプリンター・トレノ。