その強さは圧倒的だ。雇用主の4分の3近く(74%)がハイブリッド勤務制度を導入していることが、International Foundation of Employee Benefit Plans(従業員福利厚生制度国際財団)の最近の調査で明らかになった。さらに、世界経済フォーラムの調査によれば、従業員の68%がハイブリッドワークを、28%がフルタイムの在宅勤務を、そして8%がフルタイムのオンサイト勤務を希望している。
MassMutual(マスミューチュアル)の人事・従業員体験担当のスーザン・チッコは「対面ワークとバーチャルワークのバランスに価値が見い出されて行く中で、リモートワークやハイブリッドワークは今後も続いていくと思っています」という。「リモートワークはアクセス性やワークライフバランスに優れることが多く、一方、対面でのコラボレーションはつながりや創造性、革新性を育みます」
ハイブリッドオフィスサービスを提供するIWGの創業者でCEOのマーク・ディクソンは「ハイブリッドワークは従来の通勤 / オフィス中心型のモデルよりも驚くほど優れた働き方です」という。「私たちが行った最近の調査で、『フルタイムで会社に戻ることを余儀なくされたら、すぐに退職して別の仕事を探す』という回答をした社員が半分ほどいたことは驚くに値しません」
また、人材を確保し維持するためには、ハイブリッドワークをサポートすることが不可欠だ。ZRGの子会社であるRoseRyan(ローズライアン)の社長デビッド・ロバーソンは「私は、企業にとっての最高の人材をオープンに眺めています」という。「異なるタイムゾーンにいるスタッフとも密接に仕事をしていますが、連絡が取れて、同じ時間に時々会って、仕事が完成するなら働く場所は関係ありません」
リモートワークは多くの人に人気があるものの、対面での仕事が提供するつながりが必要な場合もある。ハイブリッドワークプレイスはその選択肢を提供してくれる。チッコは「直接会って話すことで生まれる、自在な会話、横のつながり、ぶつかり合いが、最高の解決策につながることが多いのです」と語る。「さらに、職場ではプロフェッショナルネットワークやメンター関係が重要であることもわかっています。このことは、パンデミックのために最初の仕事がオフィスではなく、キッチンテーブルで行われたかもしれないキャリアの浅い人たちにとっては、特に重要です。このような場合に、中堅からベテランのキャリアを持つ人は、自分のキャリアの初期にメンターから学んだときと同様に、次の世代に受けた恩を送り才能を育てることで、有意義な貢献ができるのです」