「ミュージシャンができるだけ大音量で音楽を聴く」理由

最新研究によるとミュージシャンは音楽を大きい音で聞くことを好む(Getty Images)

最新研究によるとミュージシャンは音楽を大きい音で聞くことを好む(Getty Images)

最近発表された研究によると、ミュージシャンが音楽を聴く際、一般の人たちよりボリュームを大きくしている。特に好きな楽曲のときはその傾向があるという。
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1984年の映画『This Is Spinal Tap(スパイナル・タップ)』で、架空のギタリストであるナイジェル・タフネル(クリストファー・ゲスト)がドキュメンタリー作家マーティ・ディベルギ(ロブ・ライナー)に、自分のアンプの特別なボリュームノブを見せながら「These go to eleven(こいつは11までいくんだぜ)」といった。タフネルにとって、音楽はできるだけ大きな音を出すことが重要だった。

そして彼は正しかったのかもしれない。PLOS Oneに掲載された新しい研究論文で、マンチェスター大学の研究チームはミュージシャンと非ミュージシャンのグループにボリュームつまみを操作させ、各自の気に入った音量を調べた。研究チームが非ミュージシャン17名とロックまたはジャズバンドで演奏しているミュージシャン17名を対象として実験した結果、ミュージシャンの方が音楽を大きい音で聴くことを好むことがわかった。

それはなぜか? 1つ考えられる理由は、ミュージシャンは長時間大音響にさらされているために聴力が一般の人よりも劣り、よく聴こえるように音量を上げる必要があるからだというものだ。しかし、実験に参加した被験者全員の聴覚テストをしたところ、全員がほぼ同じレベルの聴覚能力をもっていた。年齢もほぼ同じだ(20~40歳、平均年齢は両グループともに30歳弱)。生理学的に見て、全員が小さい音でもよく聞こえるはずだがミュージシャンはそれ以上を求めた。
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被験者全員が、『Whole Lotta Love/レッド・ツェッペリン』『Heartbeats/ホセ・ゴンザレス」『Crazy In Love/ビヨンセ」『Sad But True/メタリカ』 『Virtual Insanity/ジャミロクワイ』およびベートーベン交響曲5番の一楽章というさまざまなジャンルにわたる6つの楽曲を聴いた。
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翻訳=高橋信夫

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