男女平等を推進しようとする取り組みがおこなわれているにもかかわらず、「男性のほうが女性よりもリーダーシップに適している」というような固定観念が根強く残っていることは明らかだ。しかしこのような評価が、女性リーダーの採用や選出にどのように反映されるかを見極める際には注意が必要だ。
心理学者によると、今回の調査のように、女性リーダーについて一般論を聞かれると、人は固定概念にとらわれる傾向があることが分かっている。だが、「実際に知っている女性リーダー」について質問されると、固定概念を当てはめる可能性ははるかに低くなる。その人物について知れば知るほど、固定概念にとらわれる可能性が低くなるからだ。
しかし、世界中の潜在的な有権者や従業員の心に、女性リーダーに対する固定観念が大きく影響していることは明らかだ。このような偏見は、選挙、雇用の決定、給与の不公平、昇進、そして日々の無意識の差別行動(マイクロアグレッション)に間違いなく影響を及ぼしている。
明るい話題に目を向けると、こうした状況のなかでも、男女平等の実現が可能であることを示す素晴らしいロールモデルとなる小国がある。アイスランドの住民は、調査対象となった他のどの国よりもはるかに、男女平等を支持する見方を示した。
男女平等に関して、アイスランドは多くのことを正しく行っている。1980年に世界で初めて女性大統領を直接選出した同国は、2018年には、「性別による賃金格差を禁止する」法律が施行された最初の国になった。また、政府が親たちを支援しているため、出産後の女性が仕事に復帰しやすくなっている。
しかしハリソンは、これは社会的規範に対するアイスランド人たちの飽くなき挑戦の姿勢を示すものでもある、と言う。アイスランドでは、「(社会的規範は)完成されるものではないと理解されている。それは、絶え間ない努力のプロセスなのだ」とハリソンは指摘する。
さらにハリソンは、性差による偏見(ジェンダー・バイアス)を減らしたい国々にとって、その解決策は、若い女性を支援することだけではないと考えている。つまり、少年たちに十分な機会を与えることも重要だ。「少年たちが、脅威を感じない男性に成長できるよう、彼らのケアもしっかりおこなわなければならない。(中略)少年たちを適切に扱わなければ、社会における男女平等は望めない」
(forbes.com 原文)