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2023.01.02

2023年注目の顧客体験トレンド5選

VGstockstudio / Shutterstock.com

筆者は毎年、顧客体験の分野で翌年のトレンドを予想している。ここ数年は誰もが問題や変化、不安を経験しており、顧客体験が以前にも増して重要であることを学んだ。

企業は2023年に向け、岐路に立たされている。消費者はインフレのあおりを受け、人手不足により最前線で働く労働者には影響が出ており、テクノロジーは成長・進化を続けている。こうしたさまざまな変化や課題がある中でも、最高の顧客体験が焦点を当てているものは「人」だ。

顧客を理解し、変化・進化を受け入れ実行することは、かつてなく重要となっている。以下に、2023年に予想される顧客体験の5つのトレンドを紹介しよう。

1. 人手不足による自動化とセルフサービス導入

各企業では人員確保の問題が続いているが、それを言い訳にしてはいけない。独創的な解決策を見つける必要がある。

コールセンターや物流施設を自動化すれば、顧客体験を犠牲にせずに人間の労働者のニーズを減らせる。2023年にはセルフサービスの導入が進んで、顧客は短い動画や音声を通じて自分のペースで問題を解決して答えを得られるようになるだろう。

2. 「フィジタル」体験が増える

フィジカル(物理的)とデジタルの間の境界線を曖昧にする「フィジタル(physital)」体験が広まり、銀行や保険などの新たな業界へと拡大する。フィジタルは売店やアプリにとどまらず、車や家などの大きな買い物をする際の体験に革新をもたらすだろう。

3. インフレ中はあらゆる体験が重要に

消費支出の伸びは2023年に鈍化する見通しで、多くの人はインフレや迫り来る景気後退の影響を感じている。必要不可欠ではない支出が減り、全ての体験が重要となる。企業は共感を示し、将来に向けた関係を構築する必要がある。

4. 没入型体験が拡大

2023年には没入型の拡張現実(AR)と仮想現実(VR)の体験が標準的になるだろう。没入型体験は、服やメーキャップを仮想環境で試すことなどにとどまらず、商品・ブランドの紹介や、製品を中心とした仮想世界の構築にも活用されるだろう。

5. 顧客体験の予算が減る

顧客体験分野のリーダーの多くは、2023年は予算が増えると考えているものの、不安定な経済状況により同分野の予算は危うい状況に置かれる。顧客体験を担当するチームは、多くのことを少ない予算で行い、投資利益率(ROI)が高いプロジェクトに注目しなければならないだろう。2023年には素晴らしい顧客体験チームと平凡な顧客体験チームの差が広がり、自分たちの価値を継続的に示せるチームが成功を収めることになる。

2023年は、企業に新たな課題と機会をもたらす。顧客の需要や今後のトレンドを理解することで、企業は新たな環境に適応し、新年に向け最高の体験をもたらす準備を進めることができるだろう。

forbes.com 原文

編集=遠藤宗生

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