クリスマスの夜、すばらしい「惑星パレード」が南西から東の空で輝く

2022年のクリスマスには珍しい惑星パレードが見られる(Getty Images)

クリスマスは疲労困憊になりがちだ。山ほどのごちそう。冷めない興奮。テレビの見過ぎ。しかし、12月25日に1時間ほど外出する機会があれば、日没後に肉眼で見ることができる5つの明るい惑星、さらにボーナスとして美しくスリムになった三日月が空であなたを待っている(訳注:日本では25、26日にほぼ同じように見える)。最後にこれだけ見えたのは夏のことだった。

ただし、見つけるためにはすばやく行動する必要がある。

必要なのは、良いタイミングと澄み切った空。そして惑星の2つを見つけるためには晴れた南西の空が必要だ。

惑星パレード


南西から東の空にかけて、以下の惑星(と月)をこの順番で見ることができる。

・金星
・水星
・三日月
・土星
・木星
・火星


2022年12月15日、東京の空に見える金星、水星、三日月、土星(STELLARIUMのスクリーンショット)

水星と金星を見つける


日没から30分過ぎた頃、南西の空に明るい惑星、金星が見逃しようのない輝きで見える。視界が良ければ南西の地平線のすぐ上にあるところを肉眼で簡単に見ることができる。そのすぐ上が水星だ。これも肉眼で比較的容易に見えるが、双眼鏡があればもっとよい。

この2つの惑星は急ぐ必要がある。(地球から見て)内側の惑星である水星と金星は、常に太陽の比較的近くにいる。そのため日が沈んだら、地平線へと沈む前に見るために時間と戦わなくてはならない。この観察に与えられた時間は約30分だ。

あなたは金星が驚くほど明るいことに気づくだろう。これはキリスト降誕の物語に出てくる「クリスマスの星」(あるいはベツレヘムの星)なのか? その可能性は非常に高い。一瞬、現れるだけだが、常に非常に明るく、地平線の非常に低い位置にいる。だから、遠いところで待っていたものが突然現れたように見える星として理想的だ。

三日月を見つける


難しくない! 水星と金星の上、やや南西よりに美しくやせ細った欠けていく三日月が見える。地平線の下に太陽によって、わずか9%だけ照らされているこの月は、生まれてからわずか3日ほどだ(日本の25日は月齢1.7)。光っていない部分を見ると、表面が薄暗く見える「地球照」に気づくだろう。太陽光が昼間の側の地球に反射して月面を照らしているためだ。

土星、木星、火星を見つける


金星から月を通る線を追いかけると、土星にたどり着く。輪があるので見つけやすいと思うかもしれないが、実際には非常に小さく、現在は暗い。おそらく5つのうち最も見つけにくいだろう。星(恒星)の1つに見えるかもしれないが、上の図を使えば見つけられるだろう。

あとの2つはとても簡単に見つかる。木星は南の空高く、日没直後に真南から昇り夜空でその周辺を支配している。一方火星は、日暮れが深まるにつれて真東で明るく輝いている。赤い惑星はこの2年間で最も明るくなる「衝」を数週間前に迎えたばかりなので、これからしばらくの間、明るく輝くだろう。

究極の惑星パレード


2040年9月8日、極超稀な惑星「黄金の大接近(golden conjunction)」が起き、火星、水星、金星、土星および木星が、日没直後の西の空のわずか10度の範囲内で見られる。

長期カレンダーの予定としては、他に2045年8月12日、フロリダでなんと6分間にわたる皆既日食が起きる!

澄み切った空と大きな瞳に願いを込めて。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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