ライフスタイル

2022.12.20 15:00

9割以上は使い捨て 循環型社会のためにデザインには何ができる?

パーツごとに修理や取り換えをして使える「Repeat Audio」社のヘッドフォン


循環型社会を実現するための3つの原則


WDCDは、サーキュラーチャレンジの立ち上げにあたり、循環型社会を実現するための3つの原則を示す。
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1つ目が、ずっと使い続けることができるようなものづくり(Built to last)、2つ目が、自然を搾取するのではなく、自然からの学びを生かしたアプローチ(Work with nature)、そして3つ目が、新たな素材を使って生み出すのではなく、あるものを使うこと(Use what exists)。

こうした原則は、当たり前のことのように感じられるが、世界経済において循環型と呼べる活動の比率は8.6%というのが現状。逆にいうと、9割以上が、作られて捨てられるという直線的な消費モデルに基づいている。


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だからこそデザイナーの画期的なアイデアが求められる。WDCDは、サーキュラー・チャレンジへの応募対象は、プロダクトやビジネスアイディアに限らず、人々の価値観を変えるようなキャンペーン、ムーブメント、映画なども含まれる。

循環型社会の実現とは、循環型経済(ビジネス)の実現を超えて、暮らしのあり方全体に関するものだ。日本に旧来存在した里山の暮らしは、循環型社会のモデルの一つとして、いま改めて注目されている。英語でも「Satoyama」という日本語がそのままローマ字表記され、広まりつつあるようだ。

一方、日本においては、便利という魔法の言葉とともに、24時間営業のコンビニエンスストアやスーパーマーケット、100円均一ストアといったビジネスを拡大させてきた経緯もある。過剰包装の問題も、他国から見ると異常に捉えられることが少なくない。

日本発の循環型社会の実現のためのアイデアとは?

昔ながらの暮らしや価値観、風呂敷などといった「エコな」生活用品に、改めてスポットライトを当てるようなデザインソリューションに、いま世界が期待している。WDCDのサーキュラー・チャレンジは、日本からの新たなイノベーションを生むきっかけになるかもしれない。

文=MAKI NAKATA

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