ビジネス

2022.12.29 13:00

リーダーのボディランゲージがコラボレーションを良質なものにする



笑顔の聞き手(Getty Images)

音量、ピッチ、抑揚、ペース、リズム、速度、強度、明瞭度などを要素とする、パラ言語によるコミュニケーションは、何をどのようにいうかを問題にする。そして、その際の「どのように」はときに言葉に含まれる「何を」よりも、話し手の真意を明らかにすることがある。たとえば、声のトーンによって皮肉、懸念、自信を表すことができる。また、音量や強度を上げると、伝わる感情(情熱、怒り、断定、確信)が高まるため、注意を引くこともできる。

感情を処理する大脳辺縁系は、声の手がかりを処理する主要な役割を担っている。スイスにあるジュネーブ大学の研究者たちは、被験者が聞いた言葉が怒りなのか、喜びなのか、安堵なのか、悲しみなのかを、聞き手の脳の活動パターンを観察することによって見分けることができることを発見した。

共同作業では、より大きな課題に資する集団的解決のために、個人的な意図やエゴを脇に置くようメンバーに求めることになる。これを実際に行うためには、リーダー自身がが自分たちの成功に100%コミットしていることをメンバーに知ってもらわなければならない。チームを信頼し、サポートし、信じているというときには、本気でいっているように聞こえたほうが良い。

組織がコラボレーションに注力するのは、排他的な「サイロ思考」や、ただ知識を死蔵する行動が、本来なら企業に何十億ドル(何千万円)もの節約をもたらすような集合的頭脳を浪費させていることに気付いたからだ。そうした頭脳は、あるいは画期的な新しいプロセスや製品の発見につながるかもしれない。もしくは、現在の経済情勢の中で、他社が沈んでいるときに自社を存続させる手助けをすることもできるかもしれない。

しかし、コラボレーションが弱くなると、企業利益だけでなく、労働者も何かを失うことになる。そのとき個人は、チームを活性化し、創造性を発揮しともに働くことを刺激的で楽しいものにするような受容度の高い環境で働く機会を失ってしまうのだ。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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