キャリア・教育

2022.12.17 08:00

ハーバード大学が400年の歴史で初の「黒人学長」を選出

クローディン・ゲイ次期学長(Getty Images)

ハーバード大学は12月15日、ハイチ系移民を親に持つ黒人のクローディン・ゲイ教授を次期学長に指名した。約400年の歴史を誇る同大学が学長に黒人を起用するのは初めてで、女性では2人目となる。

ゲイ教授は、2018年からハーバード大学人文科学部の学部長を務めており、先に退任を決めたローレンス・バコウ現学長に代わって2023年7月1日に学長に就任する。

同大学のフェローで学長選考委員会の主査を務めるペニー・プリッツカーは、これまで米国の人種・民族と政治の関係や公民権運動以降の黒人の政治にフォーカスした講義を担当してきたゲイ教授が、「大学全体に活力をもたらす学長になるはずだ」と述べている。

ゲイ教授は、政治行動学の第一人者で、人種マイノリティーの公職者の選出が政治に与える影響や、貧困家庭の移住を支援する仕組みについての研究などで知られていると、同大学は説明している。

ハーバード大学では、入学選考の際の黒人やヒスパニック系の優遇をめぐる裁判が続いており、ゲイ教授の学長への就任は、同校のアファーマティブ・アクションがルール上危うくなる可能性が浮上したタイミングと重なったとニューヨーク・タイムズ(NYT)は報じている。

米国では、ブラウン大学とコーネル大学に続いて7月にダートマス大学とペンシルバニア大学が女性を学長に起用しており、ゲイ教授はアイビーリーグ8校の中で5人目の女性の学長に就任する。

ゲイ教授は、1992年にスタンフォード大学で学士号を取得し、1998年にハーバード大学で政治学の博士号を取得した後に、スタンフォード大学の准教授を経て、2006年にハーバード大学の教授に就任した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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