愛用者も急増。ハワイへの格安LCC「ZIP AIR」利用の勝ちパターン

「ZIP AIR」


もう1つの注意点は、成田空港で食事を購入しようと思っていても、夜に出発のホノルル便搭乗で成田空港に行くと、お店がけっこう閉まっている。ZIP AIRの場合、出発が夜7時くらいということが多いので、かなり早く空港に到着すればその限りではないかもしれないが、2時間前に到着してチェックイン手続きをして……というプロセスを経てから空港内をウロウロすると、やっているのはマクドナルドとローソンだけ、ということもあった。

海外旅行者がもっと増えていけば、開いているお店も増えると思うが、現時点ではそのあたりも要注意だ。逆に帰路でホノルル空港を出発する際にはフードコートもあるので、バーガーキングのハンバーガーを買って機内に持ち込むなんてこともできる。

さて、成田空港での話だが、第1ターミナルのローソンではお弁当などが豊富に売っているので、そちらを買っていくことも可能だ。実際、筆者を含め周囲の搭乗者は、ローソンで日本のお菓子類などを大量に買っていた。ポテチなどのスナックもハワイでは3ドル近くすることもあるから、貴重だ。

ここで筆者は思ってしまった。チケットは直前に買って、コンビニで何か買ってビニール袋を下げてそのまま搭乗すると、まるでこれは新幹線に乗るのと変わらない。先日などは、そのビニール袋をそのまま下げてホノルル空港に降り立ち、ハワイの自宅まで帰ってきてしまった。

この「新幹線感覚」の話をすると、周囲のハワイ在住者は一様に驚き笑ったが、こんな感覚でハワイ旅行をとらえると、すごくハワイが近くなった気がするから不思議だ。ZIP AIRのようなローコストキャリアの功罪はいろいろあると思うが、「ハワイ旅は気軽なもの」という感覚を生んだとしたら、それだけでもLCC登場の意義はあったと言える。

最後に、裏ワザをもう1つ。ZIP AIRのチケット購入時には、JALで貯めたマイルを金券として使うことができる。1万マイルは1万5000円分に換算されるので、2万マイル使えば3万円分に、3万マイルは4万5000円分になる。

マイルを駆使すれば、元々安価な航空運賃がさらに安い支払額になってしまうのである(たとえば片道4万円の路線で、JALマイルを2万マイル使えば、3万円が割り引かれて支払い額は1万円で済む計算だ)。こうなると乗る時の気分だけでなく、運賃も新幹線感覚だ。「ハワイは熱海に行くのと変わらない」と豪語するリピーターはこれまでにも存在したが、本当にそうなってきたのかもしれない。

文・写真=岩瀬英介

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