ビジネス

2022.12.07 08:20

クローゼットに眠るブランド品を「シェア」 貸し手は月30万円の収益も 


シードラウンドで1.2億円を調達


今後は、事業の成長に伴ってビジネスモデルの多様化も視野に入れている。

「ユーザーを増やすにあたって、より信頼の担保も必要になってきますので、レビュー機能を実装していきます。その過程で、完全なCtoCへの移行も考えています。また、レンタルでは貸し出しと返却が発生するため、自社倉庫のオペレーションも構築しています。ブランドやセレクトショップの余剰在庫を私たちで預かる、あるいは倉庫システムのノウハウ提供もできるようになれば」

2022年現在、ラグジュアリーアパレル全体の市場規模(国内)は1.6兆円とされている。佐藤はそのうち15%ほどがレンタル市場に流入されると見込み、市場のポテンシャルを2400億円と試算する。

「ブランド品はリセール市場でも数万円から数十万円、モノによっては数百万といった高価格帯ですが、レンタルであれば同じアイテムを安くて数千円から使用できる。ニーズはあると考えています」



同社は11月16日、SBIインベストメントやココナラスキルパートナーズ、90s、ロッテベンチャーズ・ジャパン、個人投資家を引受先に、シードラウンドで約1.2億円の調達を発表した。

資金は、サービスの一般公開に向けた開発に充てる。

「まずこの春には、完全版のWebサービスをリリースできるよう注力したい。会員数が増えた段階で、アプリ化も検討しています」

中長期的には、2024年末に5000アイテムの流通、2028年春ごろのIPOを目標としている。

「ヨーロッパと日本ではサステナビリティへの意識は雲泥の差。私たちもサスティナブルな取り組みを強く意識する一方で、環境のためにファッションで得られる楽しみを我慢していては、それもまた持続性がないと思います。無理せずにファッションをより楽しめる世界をつくること、当社のようなシェアリングレンタルサービスが伸長することが、結果的に循環型社会への貢献につながればいいですね」

文=小谷紘友 取材・編集=田中友梨 撮影=小田光二

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