FTXの派手な破綻が起きたのは、バンクマン=フリードの会社が債権者への支払いに預り金を使ったという報道の中で、ライバルの暗号資産取引所がFTXの買収計画から手を引くと発表した後のことだった。バンクマン=フリードは、FTXはプラットフォーム上で借入と貸付を可能にする「明示的な仕組み」を備えていたものの、監視が不十分であったと述べた。
彼は「そのリスク、そのポジション、そのアカウントを管理する人を配置できていませんでした」という。「適切な監視を怠ったことが、FTXの破綻につながったのです。
そこには私が試すことさえしなかった、何か深い間違いがあるのかも知れません。FTXでリスク管理をするために時間や労力を使っていなかったのは、明らかに間違いでした」彼はさらに「もしFTXで、1日1時間リスクマネジメントを考えていたら、あんなことにはならなかったと思います。それが残念でなりません」と続けた。
5月に行われた米国議会の公聴会で証言するバンクマン=フリード(Getty Images)
ステファノプロスは、FTXが連邦破産法第11条の適用を申請する数日前に、当時CEOだったバンクマン=フリードがTwitter(ツイッター)に投稿した2つのツイートについて尋ねた。1つは「FTXは大丈夫です、資産に問題はありません」、もう1つは「FTXは顧客の資産をすべて保全できています。たとえ国債であっても顧客の資産を投資することはありません」というものだった。どちらも後に削除されている。
バンクマン=フリードは、このツイートを投稿したときはそれらのことは正しいと信じていたが「あのツイートから間もなく、FTXは大丈夫なのかとかなり心配になり始めたのです」という。
このインタビューが、現在多くの人が詐欺師だと信じているバンクマン=フリードが、実はそうではなかったとどれほど納得させられるかどうかは未知数だ。途中バンクマン=フリードは、会社の成功と失敗が社会生活に影響を及ぼし「本当の意味で親しい友人を持つことがかなり難しくなりました」と語った。なぜなら「何も気にすることなく、気軽にリラックスできる仲間として話せる相手を身の回りに見つけるのが本当に難しくなったからです」
彼は「本当の意味での友人関係はほとんどありませんでした」という。
バンクマン=フリードは現在「損害を受けた全員への埋め合わせをすること」に集中しているという。彼は「結局のところ、どうなるかは私が決めることではありません。いずれ世間が私を裁くでしょう」と付け加えた。
(forbes.com 原文)