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2022.12.02 08:30

FTX破綻を、暗号通貨投資家はどう見ているか

Getty Images

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暗号通貨取引所FTXが破綻したことで、ビットコインの価格は今後、2022年11月20日現在の1万6387ドルを下回って、1万1000ドル前後まで下落する──。BDCコンサルティングが先ごろ発表した調査リポートはこう予想した。

BDCコンサルティングが、暗号通貨ファンドマネージャー53人を対象に調査を実施したところ、「近いうちにビットコインが1万7000ドルを超える」と考えている回答者はわずか1人。「価値がゼロに暴落する」と回答したファンドマネージャーは3人だった。一番多かったのは、「1万2000ドルまで下落する」という回答で、およそ21%だった。

中央集権型取引所だったFTXは、フロリダ州にあるアリーナ「マイアミ・ヒート」の命名権を2021年に1億3500万ドルで取得し、今後19年にわたって支払う予定だった。また、2021年に開催されたNFLの試合中には、俳優ラリー・デイビッドが主演したTVコマーシャルを放映していた。

FTXを創業したサム・バンクマンフリードは、先ごろ行われた米中間選挙で、個人として2番目に多い額を米民主党に寄付していた。そんなFTXもいまでは、暗号通貨業界で最も忌み嫌われる存在だ。

同社は、2022年11月11日に破産を申請し、暗号通貨の投資家たちに膨大な損失を与えた。

ただし、BDCコンサルティングの調査結果によれば、FTXの閉鎖が暗号通貨に致命的な打撃を与えることはないようだ。

調査結果を見ると、暗号通貨ファンドマネージャーの半数以上が、「今後も数カ月は暗号資産を増やしていくつもりだ」と回答。売却すると答えた人はゼロだった。FTXを取り巻く一連の騒動で、米政府の目が中央集権型取引所に向いていることから、ファンドマネージャーたちのあいだでは非中央集権型セクターが人気となっている。

また、「今後1カ月はデジタルセキュリティのポートフォリオを拡大する予定だ」と答えた人はおよそ66%。「FTXが破綻したので、積極的な行動は起こさないつもりだ」と答えた人はおよそ3分の1だった。

他のいくつかの報道からも、投資家は暗号通貨をそのまま保持していることが明らかになった。こうした行動は、同業界で「hodl」と呼ばれる(保持するという単語「hold」をもじった表現で、落胆しても売らずにholdすること)。FTXの破綻を理由に、今後数カ月のうちに売却すると答えた人はいなかった。

ただし、2022年に入ってから暗号資産を購入した投資家は、資金を急速に失っている。ビットコインは2022年の年初以降、65%以上も下落している。アルトコイン、つまりビットコイン以外の新しいブロックチェーンプラットフォームやゲーム関連の暗号資産となると、損失はさらに大きい。

遊びながらお金が稼げるとして人気が出ていたNFTゲーム「Axie Infinity」は価値が一気に下がり、年初来で93%の下落だ。ブロックチェーンの新たな人気者「Solana(ソラナ)」も、およそ92%下落した。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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