FTXは、姉妹会社であるトレーディング企業アラメダリサーチ(Alameda Research)を救済するために、数十億ドルの顧客資金を不正流用したとの疑惑に直面している。
バンクマンフリードは、FTXのトップとして「良い仕事ができなかった」と認め、膨大な会計ミスがあったと語った。しかし、彼は「詐欺を行おうとしたことはない」と主張し、11月初めに取引所が破綻したことに「ショックを受けた」と述べた。
また、FTXとアラメダとの関係が不適切だったという指摘に対しては、この2社が彼自身が共同創業した企業であるにも関わらず、「私はアラメダを運営していなかった」と述べ、「何が起きているかを正確に知らなかった」と主張した。
バンクマンフリードはまた、アラメダへの融資のリスクを評価する際に「十分な慎重さがなかった」と述べ、暗号通貨の「極端な値下がりの危険」を認識していなかったと主張した。
彼は、同社がリスク管理に「完全に失敗した」と述べ、FTXには顧客が負うリスクを検証する専任の担当者がいなかったと付け加えた。
FTXの破綻処理を手掛ける新任のCEOのジョン・レイは、先月の法廷提出書類の中で、「40年以上に及ぶキャリアの中で、これほど無残な企業統治の失敗と財務情報の欠如を見たことがない」と述べていた。しかし、バンクマンフリードは、「コンプライアンスのために膨大なエネルギーを使っていた」と主張した。
彼は、FTXの破産申請後に5億1500万ドル(約700億円)の不審な資金の移動があったことについて「明確な説明ができない」と述べ、「不正アクセスの結果ではないか」との見方を示した。
政治献金について問われたバンクマンフリードは、その原資が「会社の利益」で、彼が「パンデミックの防止」と呼ぶ目的のために共和党と民主党の双方に献金を行ったと述べた。彼は、2022年の選挙サイクルにおいて、民主党のキャンペーンに対する最大の献金者の一人だった。