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2022.12.07 11:15

半数以上の企業で人手不足に 情報サービスや旅行、飲食が顕著

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少子高齢化で生産年齢人口は年々低下。総務省は2020年には7406万人だった生産年齢人口が、2040年には5978万人、総人口の約5割まで減少すると推計している。そんな中、人手不足を感じる企業の割合は上昇し、新型コロナウイルス感染拡大の本格化以降、最も高い割合となっている。

帝国データバンクは、人手不足に対する企業の動向調査の結果を発表。全国2万6752社を対象に10月時点での従業員の過不足状況について聞いたところ、正社員について「不足」だと感じている企業は51.1%と前年同月を7.3ポイント上回り、6カ月連続で上昇。2年前、新型コロナウイルス感染拡大以降の2000年10月時点から17.1ポイントの大幅アップとなった。



今回(2022年10月)の数値はコロナ禍前の2019年10月(50.1%)の水準を超え、10月としては2番目の結果に。一方で人手が「適正」と答えた企業は40.2%、「過剰」は8.7%だった。

業種別で見ると最高が「情報サービス」の69.1%となり、コロナ禍で拡大するDX需要を受け、多くの企業でIT人材不足を経営課題とする現状が浮き彫りに。ニーズ増加に人手が追いつかず、受注機会を損失する企業も目立つ。

さらに業種別では、2位に「旅館・ホテル」(65.4%)、3位に「飲食店」(64.9%)が続き、前年同月比で「旅館・ホテル」が24.9ポイント、「飲食店」が39.4ポイントと大幅に上昇。4位には「建設」(64.5%)、5位に「運輸・倉庫」(63.8%)が続いた。


非正社員についても、「不足」だとする企業は31.0%で、前年同月比で5.9ポイント増。コロナ禍以前の2018年、2017年に続き、10月としては3番目の高水準に。一方で、非正社員の人手が「適正」と答えた割合は61.6%、「過剰」は7.4%だった。

非正社員の業種別で見ると、「飲食店」が76.3%で1 位、僅差で「旅館・ホテル」(75.0%)が2位と続いた。前年同月比で1位の「飲食店」は+39.9ポイント、2位の「旅館・ホテル」は+36.8ポイントと大幅上昇。現場からは、10月上旬に水際対策が緩和され、訪日外国人の個人旅行が解禁されたことなどによってホテル需要が回復したものの、人手不足で十分な対応ができていないとの声が上がっている。

さらに、時間外労働の問題も深刻だ。業種別では、時間外労働が増えたと答えた企業の割合が「旅館・ホテル」で前年同月比66.7%と最も高く、次いで「飲食店」が40.6%。正社員、非正社員で人手不足が顕著な2業種で、時間外労働が急増していることが分かる。

コロナ禍で打撃を受けた観光業への需要喚起策である「全国旅行支援」は、2023年の年明け以降も継続されることが決定。旅館や飲食などの関連業界では、今後も人手不足が続くことが予測される。

岸田政権は成長戦略にDXやGX(グリーントランスフォーメーション)を掲げ、同分野への労働移動を促すため個人のリスキリングに5年で1兆円の予算を投じると発表した。そうした政府の取り組みが、日本の人手不足に歯止めをかける日が来ることが望まれる。

文 = 大柏真佑実

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