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2022.11.30 08:40

女性のサル痘症例は誤診されやすい、感染拡大の盲点になるおそれ

Photo by Joe Raedle/Getty Images

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女性とノンバイナリー(自身の性自認・性表現に「男性」「女性」といった枠組みをあてはめようとしない人)の人々のあいだでは、サル痘(世界保健機関は11月28日、今後は名称を「Mpox」とすることを発表)の感染は主に性交渉を通じて広まっている。だが、医学誌『ランセット』に掲載された論文によれば、これらの症例の一部は、他の性感染症と誤診され、気づかれないままになっているおそれがある。

サル痘が、ノンバイナリーやシスジェンダー女性(生まれたときに割り当てられた性別と性同一性が一致し、それに従って生きる人)、トランスジェンダー女性(出生時に男性と割り当てられたが、女性の性同一性をもつ人)にそれぞれどんな影響を及ぼすのかについて、待ち望まれてきた貴重な洞察をもたらす重要な発見だ。

この研究では、女性のサル痘症例の73%が性交渉による感染と推定された。論文著者らによれば、シス女性およびノンバイナリーと、トランス女性のあいだには重要な違いがあり、トランス女性のサル痘症例は、ほぼすべてが性交渉を通じた感染が原因とみられた。

一方、シス女性およびノンバイナリーの症例の約24%は、性交渉以外の感染経路(家庭内での接触や、医療従事者における勤務中の接触など)が原因と考えられた。これに対して、男性のサル痘症例は、ほぼ100%が性交渉によるものだった。

シス女性患者の33%は、サル痘の診断が確定する前に誤診を受けていた。また、シス女性患者の約半分は、診断の遅延を経験したり、診断を得るまでに複数の受診予約を必要とした。

サル痘の治療や予防接種の手段は限られている。数少ない選択肢のほとんどは、近縁の感染症であり、すでに撲滅されている天然痘に対してのものだ。こうした薬剤の供給は逼迫しており、富裕国が買い占める一方で、過去にサル痘の感染拡大を経験している国々は最後尾に回されているのが現状だ。

アウトブレイクは沈静化しつつあるようだが、これは、ワクチン接種が進んだからというより、むしろ高リスク群の人々が行動を変化させたためのようだ。
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翻訳=的場知之/ガリレオ

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