「飽き」というモンスターを倒す方法? 歯磨きの例で考えてみよう。魅力的な動画やポッドキャストの視聴など注意を要するタスクを加えることで、マーケターは「飽き」を軽減し、消費者が歯を磨く時間を増やし、消費量と成果の向上につなげることができる。
「この原理は、有酸素運動や家の掃除など、日常的な行動にも簡単に応用できます」と、アミールはいう。「例えば、ある企業がアプリを通じて魅力的なタスクを提供すれば、顧客はより長く商品と関わり、より健康でよりきれいな家を手に入れることができます。その過程で、フィットネス器具や洗剤をより多く使うようになるでしょう。これは、新しい習慣を形成し、より長くアプリを使用し、ブランドに貴重な新しい関わり方と貴重なデータを提供する可能性もあります」
重要なのは、このゲームが「注意」を中心に展開されていることだ。焦点となる活動から注意を引きすぎるとパフォーマンスが低下し、逆に注意をうまく引けないと「飽き」が残る。つまり、多すぎず、少なすぎないことが重要なのだ。童話『3びきのくま(ゴルディロックスと3匹のくま)』のように、ちょうどいい中間の選択が必要だ。
「ゴルディロックスゾーンを見つけるために、企業は、2つのバージョンを比較して、どちらがより良いパフォーマンスを示すかを調べるA/Bテストを使ってデータを最適化する必要があります」と、アミールは述べる。「あるいは、根拠に基づいた市場調査も有効です。このような努力は、大きな利益をもたらすことをデータが示しています」
カリフォルニア大学サンディエゴ校に来る前、アミールはイェール大学でマーケティングの助教授を務めていた。彼は、2003年にMITのスローン経営大学院で経営科学とマーケティングの博士号を取得している。
(forbes.com 原文)