サウンドバーガーは、日本を代表するオーディオブランドであるオーディオテクニカの商品らしく、ベルトドライブ方式のターンテーブルの回転、トーンアームのバランスなど、音楽を心地よく聴くための仕様がとてもよく練られている。レコードは繰り返し聴くとプレイヤーの針がすり減って音質が劣化してしまう。安価なレコードプレイヤーの中には針先を交換できないものもあるが、オーディオテクニカのサウンドバーガーは世界的に流通している同社の交換針が使えるので、いい音を長くメンテナンスできる。
カートリッジの針を交換すれば音質の劣化を避けて長くアナログ再生のベストパフォーマンスが引き出せる
本体にはフル充電から連続12時間再生が楽しめるほどのバッテリーを内蔵する。さらに外部オーディオ出力端子を備えているので、本格的なアンプやスピーカーをつないで、自宅で腰を据えながらサウンドバーガーとアンプ、スピーカーによるオーディオシステムの音にじっくりと耳を傾ける楽しみ方に発展させてもいい。
若い音楽ファンを獲得できるか
サウンドバーガーのどことなく昭和レトロなデザインや、いかにも「機械っぽい」ギミックはZ世代と呼ばれる若い音楽ファンの興味も喚起しそうだ。懐かしさからサウンドバーガーを手に入れたことがきっかけで、再びレコード再生に熱を上げる筆者と同じ40〜50代の音楽ファンもいるだろう。
33回転、12インチのLPレコードだけでなく、付属するアダプターを装着して45回転、7インチのEPレコード(シングル盤)も再生できる
オーディオテクニカでは、復刻されたサウンドバーガーの初期ロットがあまりに好調だったことから、12月1日に2度目の数量を限定したオンライン販売を行う。またすぐに売り切れる可能性が大きいので、手に入れたい方は発売日の午前10時前からオーティオテクニカのオンラインストアにアクセスしたい。反響の大きさ次第で、オーディオテクニカはサウンドバーガーを「通常販売」のモデルに格上げしてもよいのではないかと筆者は思う。
オーディオテクニカのラインナップには「AT-LP3XBT」や「AT-LP60XBT」といった、Bluetooth再生に対応するスタイリッシュな据え置き型のアナログレコードプレイヤーもある。サウンドバーガーをフックにして、再びアナログレコード再生の魅力に「新しいファン」を引き付け、定着させることがオーディオテクニカの真の狙いなのかもしれない。筆者は誘いに乗ってみたら日々の音楽ライフが想像以上に充実した。音楽を所有できる実感も含めて、やぱりアナログレコード再生はいいものだと思う。
連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
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