米国で最も経済自由度の高い州は? シンクタンクが最新ランキング

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経済的自由は経済成長にとって不可欠なものである。政府が人々の起業や働き方の選択、企業への投資などをやりづらくすれば、経済成長は停滞してしまう。

カナダのシンクタンクであるフレーザー研究所は18年前から、米国やカナダ、メキシコの州の政策が経済的自由、つまり個人が過度な制約を受けずに経済活動できる状態をどのくらい後押しするものになっているかを評価し、ランクづけした報告書「北米経済自由度(EFNA)」を作成してきた。

今月発表された2022年版によると、全米を対象としたランキングではフロリダ州が1位となり、以下、ニューハンプシャー州、サウスダコタ州、テキサス州、テネシー州と続いた。下位5州は下からニューヨーク州、カリフォルニア州、ハワイ州、バーモント州、オレゴン州という順だった(準州を含めるとプエルトリコが最下位となっている)。

経済自由度の高い州ほど、経済成長は速く、失業率は低く、1人当たり所得は高く、起業活動は活発で、人口の伸び率も高くなることが、これまでに多くの研究で示されている。今年のEFNAでも、経済自由度の高い州は1人当たり所得の平均伸び率も高い傾向にあることが確認された。

経済自由度を高めるために州にできることはいくつかある。税制改革はそのひとつだ。所得税率を引き下げたり、法人税など投資を妨げるほかの税負担を軽くしたりすれば、人々が稼いだお金のうち、手元に残って自由に使える金額が増えることになる。

今年のランキングで2位のニューハンプシャー州は、所得税がないうえに、投資を促進するため事業税も最近引き下げた。経済自由度を高めたい州はニューハンプシャー州を見習うべきだろう。

各州は規制や歳出の見直しを


過剰な規制も経済的自由を低下させる。ジョージ・メイソン大学のシンクタンク、マーカタスセンターによると、カリフォルニア州とニューヨーク州は全米で最も規制の多い2州となっている。一方、サウスダコタ州やニューハンプシャー州、テネシー州、フロリダ州は規制が比較的緩い。カリフォルニア州とニューヨーク州が経済自由度のランキングで下位に沈み、後者4州が上位に入っているのは当然の結果だ。

規制の重荷を軽減したい州にとっては、行政手続きの簡素化規定や、更新しなければ自動的に失効する「サンセット条項」の導入、悪影響の大きい規制を見つけ出す経済分析の向上などが選択肢になる。
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編集=江戸伸禎

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