賞金総額616億円、カタールW杯で各国の選手はいくら稼ぐ?

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11月20日に開幕のワールドカップ(W杯)カタール大会では、米国の男子チームが2014年以来で初めてW杯に戻ってくる。ここでは、まず米国の選手がどれほどの収入を得ることになるのか、それが他の出場国とどう違うのかを紹介する。

今大会でカタールは、史上最高額の4億4000万ドル(約616億円)の賞金を用意し、優勝国には4200万ドル、準優勝国に3000万ドル、3位に2700万ドル、4位に2500万ドルを授与する。また、また8強が1700万ドル、16強が1300万ドルで、1次リーグで敗退した場合も900万ドルの賞金が与えられる。

賞金の分配方法は各国のサッカー連盟が決めるが、米国の場合は労働協約で支給額が決められており、その一部は、大会に出場していないにもかかわらず、米国女子チームにも支払われる。

米国の男子代表の23人は、カタールでのすべての試合で1万ドルの報酬を受け取る。また、彼らが得たFIFAの賞金の90%は、男女46人のメンバーに平等に分配される。つまり、米国が1次リーグで敗退した場合でも男子選手にはそれぞれ約20万6000ドルが与えられ、優勝した場合は約82万2000ドルが与えられる。

優勝国を予想するオッズメーカーは、米国がW杯で優勝する確率を32チーム中20番目としており、それを考慮すると彼らが得る報酬は最低額に低いほうになりそうだ。

これに対し韓国は、チームに入った選手にそれぞれ約1万5000ドルの報奨金を与え、勝つごとに約2万3000ドル、引き分けの場合は約8000ドルを支払うとチームのスポークスマンのJay Ahnはフォーブスの取材に回答した。また、グループリーグ突破で7万6000ドル、準々決勝進出で15万ドルのボーナスが支払われ、韓国チームが奇跡的に優勝した場合は合計約39万ドルのボーナスが支給されるという。

ドイツチームの場合は、優勝した場合に約41万5000ドル、16強に進出した場合に1選手あたり約5万2000ドルのボーナスを支給するという。オーストラリアの選手は、約15万ドルの登録ボーナスを獲得し、賞金の50%が分配されるため、報酬の総額は約68万ドルに達する可能性がある。

一方で、最も好条件でワールドカップの出場権を獲得したのはセネガルの選手たちだ。2月のアフリカネイションズカップで優勝した同国の各選手には、すでに8万7000ドルの現金と、首都ダカール近郊の700平方メートルの土地が贈られている。

数千人の移民労働者が死亡


約12年前に、FIFAが2022年ワールドカップの開催地としてカタールを選んだ際に、FIFAはカタール政府から賄賂を受け取ったとされている。この決定は依然として大きな議論を呼んでおり、カタールでは同性愛が違法であることや、女性が運転や海外旅行をする際に男性の保護者の許可が必要であることなども、問題視されている。しかし、この大会をボイコットしようとする動きはそれほど活発にはなっていない模様だ。

カタールはワールドカップに少なくとも2200億ドルを費やし、史上最も高額なワールドカップとなった。同国では、W杯の開催の発表以来、何千人もの移民労働者が亡くなっており、大規模な建設工事との関連が指摘されている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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