経済・社会

2022.11.17 11:00

シドニー寄港のクルーズ船でコロナ集団感染、「2年前」との違いは?


後遺症が残れば、心血管疾患や神経症状のほか、それまでの生活を一変させてしまうような症状が、長期にわたって続く危険性がある。さらに感染を繰り返せば、後遺症のリスクはそのたびに高まる可能性があるとされている。

つまり、新型コロナウイルスへの感染は依然として、非常に深刻に受け止められるべきものだ。そして、クルーズ船で発生した集団感染はそのすべてにおいて、防ぐために何ができたのか、見直しを行う必要がある。

船内にある物の表面の消毒は十分だったのか、室内の換気・空気清浄は十分だったのか、感染者の発見が遅くはなかったか、といったことについて、改めて確認する必要があるということだ。

数百、あるいは数千の人たちが長時間、ある程度閉鎖された場所にとどまり、空間や多くの物を共有することになるクルーズ船には、感染拡大を食い止めるための明確な、そして迅速に実行に移すことが可能な戦略が必要だ。

向こう数カ月の間に、クルーズ船での旅を検討している人は、まずはそのオペレーターがどのような感染対策を行っているのか、集団感染の発生リスクをどのように捉えているのか、詳しく調べてみるべきだろう。

より寒く、乾燥する季節となる北半球では、感染者が再び急増するとみられている。ホリデーシーズンには、クルーズ船内にウイルスが持ち込まれるリスクも高まると考えられる。

周囲に人がいるときにはマスクを着用し、できるだけソーシャルディスタンスを取るよう心掛けることが必要だ。ピアプレッシャー(仲間からの圧力)に屈して、不要に身を危険にさらすことは、避けたいものだ。

forbes.com 原文

編集=木内涼子

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