「最終面接まで残った候補者として、競争相手の候補者から自らを差別化し機会をものにするためにはどのように準備すればよいでしょうか?」
採用面接を成功させるコツは、採用される万能の戦略を見つけることではなく、安定した面接技術を習得することだ。このコツには、あなたの具体的な経歴をそのとき応募している具体的な仕事に当てはめ、採用プロセスを通して一貫性と魅力を示し続け、その仕事に対する熱意や心からの関心を見せることがある。
ここでは、採用プロセスではトップを走っていなかったものの最終的に採用された3つの実例を紹介する。
3人の物語を読む際は、自分の面接準備を振り返り、自分にもこの3人と同じことができるかどうか考えよう。あなたの面接に欠けているスキルや性質はあるだろうか? パフォーマンスの差を埋めるにはどのような支援が必要だろう?
1. エネルギーに満ちた候補者
投資管理会社の地域営業部長職の採用では、最終面接に4人の候補者が残った。全員がグローバル営業部長に強く推薦されていたが、4人の候補者のうち3人はグローバル長と顔なじみだった。そのため彼はこのうち1人が採用されるだろうと思っていたが、結局採用されたのは知られていない候補者だった。
面接の成績は全員良く、誰もが説得力のある職歴だったが、最終的に採用された女性は採用プロセスを通し、エネルギーにあふれた姿を示したことで他の候補者から際立っていた。
彼女は、8時間にわたる最終面接日の前夜に夜行便を利用して面接に向かったが、午後4時になっても朝9時と同様に爽快に振る舞っていた。彼女は自分がどれほど強くこの仕事を求めているかを何度も率直に述べた。
営業のグローバル長が最終的な意思決定者で、この候補者には他の候補者には足りない「やる気」があると考えた。
2. 一貫性がある候補者
エネルギーや熱意は重要だが、だからといって強い個性が必要なわけではない。環境系非営利団体の開発担当副社長の採用でも候補者は4人に絞られた。そのうち3人は既に最高開発責任者(CDO)と働いたことがあるか、CDOに直接推薦された人だった。
それでも最終的に選ばれたのは、個人的にはつながりがなかったが候補者探しで浮上した4人目の候補者だった。
この候補者は、最も一貫性のある面接技術を持っていた。全ての面接に通用する一つの特効薬があったわけではないものの、4人の上級役員を含め6回にわたり実施された面接では全ての面接官が同じフィードバックをした。
他の候補者は全員、面接が完全に失敗するか特定の質問に対して警告を促す答えがあった。そのために意思決定者らは、他の候補者は全体的には優れているものの欠点があると懸念を持ったのだ。