ビジネス

2022.11.14

7月上場の「エアークローゼット」 CEOが考える起業家の3つの素養 #1

エアークローゼットCEOの天沼聰

月額制ファッションレンタルサービス「airCloset」を中心に展開し、サブスクの先駆け的存在とも言えるエアークローゼット。2022年7月には東証グロース市場へのIPOも果たし、急成長を続けている。

同社代表取締役社長 兼 CEO 天沼聰(あまぬま・さとし)氏に起業家の素養、事業成長のポイントなどについてDIMENSIONビジネスプロデューサーの伊藤紀行が聞いた。(全3話中1話)


──天沼さんが考える「起業家にとって重要な素養」を3つ挙げるとするとなんでしょうか?

この問いは経営者ごとに違い、正解はありません。私自身、経営者になって8年くらい経ちますが、まだまだ正解を探している途中です。

その前提で、3つ挙げるとすると「継続力」「信じる力」「好奇心」です。

まず1つめの「継続力」は、グリット力とも言い換えられるでしょう。

起業・経営はうまくいくこともあれば、全くうまく進まないこともたくさんあります。山あり谷ありで精神的にきつい時も多い中で、いかに継続し続けられるか。この力が必要不可欠です。

2つめは「継続力」とも通じる部分ですが、「信じる力」。

まずは人を信じる力。なによりも自社の仲間を信じて、背中を100%預けられること。

加えて自分たちが作る未来やその必要性を信じる力。自分たちの夢やポテンシャルを誰よりも信じることが、結果的に「継続力」に繋がります。

3つめは「好奇心」。

経営にはこれという正解がありません。特に昨今はコロナウイルスの感染症などがいい例で、未来を正確に予測して手を打つという時代ではなく、変化への対応力が問われる時代だと思います。

そんな変化に富む時代に、重要となるのが情報に対してアンテナを張ること。その原動力となるのが「好奇心」です。

新しいことにチャレンジし、変化し続ける源泉としての「好奇心」がより重要性を増していると感じています。

“サブスクの先駆者” 続けてこられたワケ


──それらの素養が大切だと思うに至った原体験などがあればお聞かせください。

月額制ファッションレンタルサービス「airCloset」は、日本に全く同様のサービスが存在しない状態の中で暗中模索しながら立ち上げてきました。

なにが正しいのか全く分からない中で事業を続けてきて思うのは、「続けてきたからこそ今がある」ということ。「信じる力」にも通じますが、続けていくことで応援してくださる方が増え、仲間が増え、事業も伸びていきました。

実体験として「継続力」がなくては、起業は成功しないなと強く思います。

「信じる力」に関しても、これまでの道のりを振り返ってみたときに、クライアント様や事業パートナー様、会社の仲間を自分自身が100%信じている時はすごく事業がうまくいっていたし、逆に信じられていない時はうまくいかなかった。

なので「まず自分から信じる」ことをすごく大切に経営しています。
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文=伊藤紀行 提供元=DIMENSION NOTE by DIMENSION, Inc. 編集=露原直人

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