レイオフの際には、一般的に経済的な影響に焦点を当てた論評が多い。11月9日に11000人以上のレイオフを発表した際、MetaのCEOマーク・ザッカーバーグは、この動きは「よりスリムで効率的な企業になる」ために必要なステップの1つであると説明した。イーロン・マスクはレイオフについて、「残念ながら会社が1日400万ドル（約5億6800万円）以上の損失を出している以上、選択の余地はない」とツイートした。
「レイオフ・サバイバーが感謝していると思うな」というLeadership IQの調査では、レイオフ後に解雇を免れた従業員（サバイバー）に何が起こるかについて、いくつかの衝撃的な発見があった。
生産性の低下
4000人以上のレイオフ・サバイバーのうち、レイオフ中も仕事を続けていた従業員の74％が、レイオフ後に自分の生産性が低下したと答えている。
大量解雇のストレスは、もちろん生産性を低下させる。次は自分かどうか、会社のファイルにアクセスできるかどうかという不安は、生産性に大きな影響を与える。さらに、生産性を損なうのは、レイオフが行われる週だけではない。
会社に対する信頼が失われれば、残った従業員の多くが新しい仕事を探し始める可能性が高くなる。また、サバイバーの罪悪感などの強い精神的ストレスは、生産性（および集中力、注意力など）に悪影響を及ぼすことがわかっている。
品質の低下
生産性への影響と同様に、調査回答者の69％が、レイオフ以降に会社の製品やサービスの質が低下したと回答している。
大量解雇の場合、仕事の詳細な再設計が行われないまま行われることがかなり多い。つまり、レイオフによって100％の仕事が80％の労働者に任されることが珍しくない。そうなれば、仕事の質が落ちるのは必然だ。
さらに、人は冷静で頭脳明晰なときと、感情的に取り乱して不安なときとでは、どちらが良い仕事をするか考えてみよう。大量解雇は冷静な精神状態を生み出すことはなく、感情的な苦痛や不安をもたらす。そして、不安が大きくなると、ミスも多くなる。そして、そのミスがさらなる不安を呼び、そのスパイラルはさらに悪化していく。
困難な新しい人材の確保
従業員数の削減は永遠ではなく、いつかはまた組織が成長することが期待されている。しかし、解雇を免れた従業員が新しい企業文化を好まない場合、優秀なスタッフを採用するのは難しい。前述の調査によると、サバイバーの87%が、自分の組織を素晴らしい職場として推薦する可能性が低くなったと回答している。
この減少は、レイオフへの対応に対する怒り、質の低下、仕事量の増加など、さまざまな要因から生じている可能性がある。重要なのは、レイオフによって職場の質が低下してしまうと、いざ成長しようとするときに新しい人材を呼び込むことがますます難しくなってしまうということだ。
レイオフは時として避けられないものであり、必要なときには、昨日行わなければならなかったように感じられることもある。しかし、調査によると、経営者がレイオフの後遺症をよく考えなければ、期待したほどの経済的利益を得られない可能性がある。数日、数週間かかるかもしれないが、文化やワークフローをできる限り慎重に保護することは、会社がより強くなることを容易にするものなのだ。
（forbes.com 原文）
