ピーター・ティールが支援の共和党J.D.ヴァンスが上院選で勝利

J.D.バンス氏とドナルド・トランプ前大統領(Photo by Drew Angerer/Getty Images)

オハイオ州の連邦上院選で、共和党のJ.D.ヴァンスが民主党のティム・ライアン下院議員を抑えて勝利した。10期目の下院議員であるライアンが民主党から距離を置き、共和党員にアピールしようとする中で、ヴァンスは自身の知名度とトランプ元大統領との連携で選挙戦を有利に進めた。

AP通信は、11月8日の東部時間午後11時過ぎに総票数の約92%が集計され、ヴァンスがライアンを53.6%対46.4%(約28万2000票差)でリードしたとして、ヴァンスの勝利を発表した。

イェール大学出身の弁護士で投資家のヴァンスは、2016年に出版したベストセラー『ヒルビリー・エレジー(Hillbilly Elegy)』で、自身が育ったオハイオ州南部の町における製造業の衰退とその社会的影響を綴り、多くの人々の共感を集めた。この作品は、ネットフリックスで映画化された。

投資家のピーター・ティールは、ヴァンスの上院選出馬に向けて設立されたPAC(政治活動団体)の「プロジェクト・オハイオ・バリュー」に、1000万ドルを寄付していた。

一方、2003年に下院議員に当選し、最年少の民主党議員となったライアンは、引退する共和党上院議員ロブ・ポートマンの後任を目指して出馬を発表した。

ファイブサーティエイトの世論調査結果によると、3週間前までヴァンスとライアンの支持率はほぼ互角だったが、最後の2週間でヴァンスの支持率は急上昇し、7日の時点でライアンに6.2ポイントの差をつけていた。

ヴァンスとライアンはともに、選挙戦を通じ、相手を互いの政党の両極に位置づけようとした。ヴァンスは、民主党の経済政策の失敗とライアンを結びつけるため、彼がナンシー・ペロシ下院議長やバイデン大統領に「100%」投票したと主張し、ライアンが2016年に行った「ナンシー・ペロシを愛している」発言を取り上げた。

一方、ライアンは、2020年にトランプを支持した共和党の有権者を刺激しないよう微妙なラインを歩みつつ、ヴァンスが党内右派をなだめるために「群れに従い、過激派に従う」選挙の否定派で、自分の信念を持たない人物だと位置づけた。

AP通信によると、オハイオ州知事のマイク・デワイン(共和党)も民主党候補のナン・ホエイリーを63%対37%でリードし、再選を果たした。一方、オハイオ州第9区では、現職のマーシー・カプター下院議員(民主党)が共和党のJ.R.マジェウスキーを破った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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