環境汚染に児童労働... 甘い砂糖の「苦い」真実


森林伐採による生態系破壊




バイオエタノールの需要とともにサトウキビ畑が拡大し、地球上最大の湿原地帯「パンタナール」の森林の4割が失われた。

森林伐採によって土地がもろくなり、川の勢いによってがけ崩れが発生。下流の水量が減少し、それに伴い動物の数も減少している。

国立農業研究所の研究員は「このままではパンタナールは、どんどん縮んでいくでしょう。そして、生物の多様性は失われていくでしょう」と語っている。

サトウキビ自体は環境に良い




生産過程にさまざまな問題があるサトウキビだが、環境にやさしい植物であることは間違いない。

サトウキビは二酸化炭素を送り込むだけの葉緑体がいる"C4植物"であるため、ほかの多くの植物より効率よくCO2を吸収するのだ。

サトウキビ自体に罪はない。土地を確保する方法や農園の労働環境に配慮し、サステナブルに生産していくことが求められている。

私たちにできること


今回は海外のサトウキビ栽培における問題を解説した。

前述の通りサトウキビそのものに罪はなく、むしろ持続可能な植物であるため、すべての砂糖を避ける必要はない。しかし、大多数の人が毎日使う調味料だからこそ無意識の内に社会課題に加担していた場合のネガティブな影響は大きく、改善されなければ問題の深刻度は日に日に増していく。

今使っている砂糖ができるまでの過程に目を向け、企業のサイトを調べたり、実際に問い合わせたりして、自分が当事者か否かを確認してみよう。

裏側を知ったうえで、自分が納得できる選択をする人が増える未来を共に実現していきたい。

【参考】
・農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/kanmi/r3_1/attach/pdf/siryou.pdf
https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1701/02.html
・alic
https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_001986.html
https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_000088.html
・MIRAI PORT
https://www.mirai-port.com/people/740/
・日テレNEWS
https://news.ntv.co.jp/category/international/231747


※この記事は、2022年8月にリリースされた「エシカルな暮らし」からの転載です。

文=エシカルな暮らし編集部

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