しかし、トレーニング中の携帯電話使用にはメリットよりもデメリットの方が多いことを示す研究結果もある。特に、運動中に誰かとメッセージや電話で話すことが多い人は要注意だ。
フィットネスインストラクターのブリーアンナ・ビュリックによると、スマホがトレーニングの妨げになっているかもしれない理由には、主に以下の4つがある。
・バランスと安定性の低下
「スマホを使い過ぎると、全体的な反応時間が遅くなる可能性がある。休憩時間に携帯電話を使うと、クリーン・アンド・ジャークをするときに体の協調が乱れる可能性がある」とビュリックは述べている。
「運動中にメッセージをしたり電話で話したりすると、姿勢がより不安定になり、バランスや安定性が最大45%下がる可能性があるとの研究結果がある。ランニングマシンを使うにせよ、屋外を歩くにせよ、ウォーキング中に電話で話したりメッセージを打ったりすれば、転倒の危険性が高まる」
・運動強度の低下
低強度トレーニングが悪いわけではないが、セッションが全て少し楽だと感じ始めたら問題があるかもしれない。
ビュリックは「運動中にスマホを使うことで、低強度の時間が増える場合がある。スマホをやめれば、高強度の運動時間を増やせる。ジムでの時間が限られているなら、これを心に留めておくことが特に重要だ」と語る。
「高強度インターバルトレーニング(HIIT)であっても合間に休憩を取る必要があるのは確かだが、休憩が長過ぎるとHIITが普通の運動になってしまう」
・心肺機能の低下
「スマホを頻繁に使う人は、運動よりも、動きが伴わないソーシャルメディア閲覧などの携帯電話関連の活動を選ぶ傾向にあり、心肺機能に悪影響を与えてしまう」とビュリックは指摘している。
筋力トレーニングをする際、有酸素運動の強度を低く抑えるためにウォーキングをしている人もいるだろうが、その場合もスマホが弊害となるかもしれないビュリックは述べている。「過剰な携帯電話の使用は血圧の上昇とも結び付けられてきたため、携帯電話を切ることで心臓の健康を確保できるかもしれない」
・体の動きや可動域への影響
「スマホを直接手に持っていなくても、メッセージの通知が聞こえたり、画面が通知で明るくなるのが見えたりする。画面の点灯は、実際にスマホをチェックすることと同じくらいの注意散漫を生む」とビュリック。
「こうした一見無害に見える中断も、体の動きや肘の可動域、肩の屈曲や伸長を低下させる可能性がある。これにより全体的な運動の効率が下がることも考えられるため、運動の効果を最大化する上では適切ではない」
(forbes.com 原文)