ここまで来た? 機内食イノベーション

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食品廃棄削減にもひと役かうミールスキップオプション


好みや事情に合わせた機内食を食べたいという人がいる一方で、機内食をパスしたいという人もいるだろう。目的地に到着後すぐに会食の予定がある、機内食より現地の食事を楽しみたい、機内ではゆっくり睡眠をとりたいなど、その理由はさまざまだ。

そういったニーズに応えて、JALは2020年から路線限定で「ミールスキップオプション」サービスを導入している。これは機内食が不要であることを事前に申し込みしておくことができるサービスだ。


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このオプションを申し込んだ人は、ちょっとした返礼として機内でJALオリジナルアメニティキットがもらえる。アメニティキットはあくまでおまけの域をでないが、機内食をいつも持て余してしまうという人には嬉しいサービスだ。

また、機内食が不要である旨を飛行機に搭乗してからでなくあらかじめ申請することで、食品廃棄削減に貢献することにもつながる。ゆっくり眠ったり、機内サービスを楽しんだりしながら社会貢献もできるのであれば、一石二鳥だろう。

機内食イノベーションはいまだ進行中


ANAによると、特別機内食を注文する乗客は全体の7%ほどだそうだ。この数字を「たった7%のために、20種類以上もの特別機内食を設定するのはばかばかしい」と考えるか、「特別機内食は他社との差別化をはかるチャンス」「もっと良いものを用意してPRすれば、潜在的な利用希望者は何倍もいるはず」ととらえるか。

2022年10月19日に、ANAは特別機内食のヴィーガン、ベジタリアン、グルテンフリーのメニューを刷新することを発表した。ヴィーガンなどの該当者以外の乗客が食べてもおいしいと感じるメニューを目指したという。好みや嗜好が多様化するなかで、機内食イノベーションはまだまだ進行中であるようだ。

文=アステル 編集=石井節子

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