これは、皮肉ではない。「新しい」アイデアはみな、既存のアイデアを独創的な方法で組み合わせて生まれるものだと、トウェインは考えていたのだ。そうした視点に立てば、新しいアイデアを生み出すための組み合わせは無限にある。
言い方を変えれば、「相互作用」には大きな力が秘められているということだ。
花粉が、ひとつの植物から別の植物へと運ばれていって受粉するように、ビジネス界でも異花受粉=相互作用は起きる。つまり、知識や広い視点を追求・共有・交換して、それらを組み合わせ、これまでにない新しいアイデアを生み出すのだ。
ビジネスにおける相互作用は、創造性と密接なかかわりを持つ。創造性とは、世界を新しい見方で受け止め、パターンを見いだし、外見上はまったく異なっていても共通点を見いだし、革新的な解決策を編み出す力だ。そして、どの業界で働いていようが、想像力に満ちた新しいアイデアを生み出す力は、極めて役立つ貴重なスキルである。
では、ビジネスで相互作用のパワーを活用する方法を5つ伝授しよう。
1.相互作用が起こりやすい環境をつくる
他者のアイデアや視点に触れる機会がまったくなければ、ビジネスでの相互作用は起きない。相互作用が起きやすい環境を整えるためには、積極的にさまざまな情報源に触れ、知識基盤を拡大しなくてはならない。
多種多様なジャンルの本を読み、さまざまなポッドキャストを聴き、おもしろそうなTEDトークを視聴しよう。また、自分が住む地域や働く業界の外にいる、才能や知識の豊富な人たちが集まるイベントに参加しよう。
2.心を開く
ビジネスにおける相互作用に必要なのは、さまざまな可能性を受け入れ、たとえ違和感を覚えてもそれをいとわない姿勢だ。考え方が似た人たちのほうが共感はしやすいが、普段だったら避けて通るような人たちと交流すれば、より多様性に富んだアイデアに出会えるはずだ。
あまりなじみのない情報源から得た考え方を、あえて検討するようにしよう。意見や専門分野、バックグラウンドの異なる人たちとの議論に参加しよう。心を開いて、普段の自分とは異なる世界と交わるようにすれば、イノベーションや新しい発見がある。