だが、同社のその新たな取り組みには、「グリーンウォッシング(環境に配慮しているように見せかける行動)」との批判の声が寄せられている。
ZARAを非難する一人、英紙インディペンデントのアリス・マーフィー記者は、「ファストファッションが中古品の売買を促すプログラムを検討するのであれば、同時に廃棄する衣料品の削減を重視した取り組みも行う必要がある」と述べている。
マーフィーは、ZARAの主なビジネスモデルが毎週500以上の新作アイテムを生産するファストファッション戦略に基づくものだという「皮肉」を強調。製品の修理と交換を行うことを含めた新たな取り組みのコンセプトは、「リップサービス」にすぎないと指摘している。
「プレオウンド(中古品)」アイテムに関するZARAの新たな取り組みには、顧客同士が不要になったZARAのアイテムを売買できる(ウェブサイトとアプリ上の)プラットフォームの構築が含まれる。
このプラットフォームでは、売り手が自分の所有している製品の写真を撮ってアップロードするだけで、そのアイテムに関する詳細な情報が自動的に表示されるという。
出品されたプレオウンド・アイテムに買い手がつくと、購入者の情報が売り手側に伝えられ、製品を発送してもらうことになる。また、買い手は購入時にウェブサイトから、またはZARAの店頭で、購入した製品の修理を依頼することができる。
ZARAはこのサービスについて、当面は利益をもたらすものにはならない見通しだと説明している。同社のサステナビリティ担当部門の責任者、パウラ・アンプエロは英紙ガーディアンに対し、次のように述べている。
「現段階では、このプラットフォームは完全に、顧客がそれぞれのアイテムの寿命を延ばすこと、より循環型のアプローチを取ることを支援するためのツールと考えています」