韓国人の90%以上が利用しているカカオトークとその派生アプリは、データセンターの1つで火災が発生したことで、ほぼ全面的に停止した。このアプリは中国のWeChatのようなスーパーアプリで、複数の機能を備えている。
今回の障害によって、韓国全土でタクシーに乗れない人や、店やレストランで支払いができない人、家族や友人にメッセージを送れない人などが発生し、怒りの声があがった。その後、カカオのナムグン・フン共同CEOは19日に辞任した。
「エブリシングアプリ」やスーパーアプリと呼ばれるアプリは、統一されたインターフェースのもとでユーザーが複数のサービスにアクセスできるようにするもので、特に人気が高いサービスを分離させる場合もあるが、同じユーザーアカウントに依存し、主要な機能を共有する場合が多い。
その最も成功した例の一つが中国のアプリWeChatで、メッセージングから始まり、今では決済、Eコマース、SNS、さらには政府の発表にまで利用されている。他にも、シンガポールのGrabは配車アプリとしてスタートし、今ではフードデリバリーや金融サービスまでをカバーするスーパーアプリに成長した。
米国市場向けに同様のスーパーアプリを作るという夢を、イーロン・マスクを含む複数の経営者たちが語っている。マスクは5日、詳細については触れずに「ツイッターを買収することで、エブリシングアプリの創出を加速したい」とツイートしていた。彼は6月に開催されたツイッター社員らとのミーティングの場でも、ツイッターをWeChatのようにしたいと述べていた。
マスクは、一からアプリを立ち上げるのではなく、ツイッターをスーパーアプリに進化させることで、3年から5年の時間を短縮できるとも話していた。マスクがスーパーアプリを熱望するもう一つの理由は、ツイッターやフェイスブックのように広告に依存する必要がないことだ。
(forbes.com 原文)