新型コロナウイルスのパンデミック発生から、すでに数年が経過している。だが、後遺症に対する理解は、まだ十分には深まっていない。世界保健機関(WHO)によると、回復した感染者の10~20%が後遺症に苦しんでいるとみられている一方、明確に「後遺症である」と診断する基準は定まっていない。
後遺症は女性の感染者や、入院が必要になった感染者により多くみられる傾向があるものの、すべての感染者に一様にみられるものではない。
後遺症が残る理由については、主に免疫系の問題や、体内に残るウイルス、血液凝固などだと推測されてはいるものの、根本的な原因はいまだ不明だ。どの程度の期間にわたって続くものであるかも定かではなく、治療法も確立されていない。
専門家やWHOのテドロス・アダノム事務局長をはじめとする公衆衛生当局の関係者らは、後遺症が世界中の何百万人もの人々に及ぼし得る「破滅的な」影響と、それがもたらす経済的負担によって、パンデミック後に向けての回復が遅れる可能性があると警告している。
(forbes.com 原文)