テクノロジー

2022.10.06 10:30

ツイッターでテスラ製ロボが嫌われるのは人がAIを支配する準備ができていないから

安井克至

さて、先のデモ以来、マスクがデモの途中で述べたことを反響するツイッターユーザーが何人か出てきた。今の時代のロボットの多くは、AIの頭脳を持たずに製品を作り、家ほどのコストがかかる。Optimusは、周囲の環境を理解し、Nissan(日産)車と同じくらいの値段になるという。

残念なことにAIの可能性は明らかで、可能性には溢れているものの、普通の人が本当に自動化されたアシスタントを受けられるという現実はつかみどころがない状態にある。これらのロボットはいつか私たちのために皿洗いをするかもしれないが、それがいつになるかはわからない。

マスクは「近いうちに」とほのめかしているが、このデモはその考えを補強するものではないだろう。本当のところは、私たちがそんな世界を望んでいないだけなのかもしれない。もしかしたら、自律走行車やロボットヘルパーに関する誇大宣伝は、コンセプトやアイデアとして理解すべきなのかもしれない。

Optimusのようなロボットが実際に家にやってきて、床を掃除したり、猫を外に出してあげたりするようになると、その次に起こるかもしれないことに対して、私たちは準備ができていないかもしれない。例えば保険に関する悪夢や、ロボットが人間に取って代わるようになった場合の優生学に関する現実的かつ正当な疑問、実際の基準や安全プロトコルなしにAI技術に過度に依存すること、などだ。

そして、あえていうなら、米国政府はどのように関与するのだろうか?

少なくとも自動車業界では、シートベルトやエアバッグのようなものには規制がある。マスク自身も、AIのガバナンスについて疑問を感じているようだ。

テスラのような企業がロボットを開発し、それがもうすぐ私たちの家にやってくるかもしれないといったとき、私が最初に考えるのは、AIの脳や競争相手についてでもなく、コストや機能セットについてでもないのだ。それよりも、このようなロボットが実際に存在することに対して、私たちは準備ができているのだろうかということだ。

forbes.com 原文

編集=Akihito Mizukoshi

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