そのツナ缶、原料は何漁で? サステナブルな「漁法」が重要な理由

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ワイルド・プラネット・フーズが専門に扱うのは、太平洋やインド洋で小規模に操業している漁師が水揚げするビンナガとカツオだ。これらの魚は長年、重さが30〜70ポンド(約13〜32キログラム)ほどになる6〜12歳のものが獲られるのが普通だったが、これらの漁師は9〜25ポンド(約4〜11キログラム)の3〜5歳の若い魚を持続可能な漁法で獲っている。

こうした若い魚を選ぶのにはふたつのメリットがある。ひとつは風味のよさ。コストコが2010年にワイルド・プラネットのツナ缶の取り扱いを始めたときも、原料の魚が責任ある方法で獲られているのに加え、やはり多くの消費者にとって気になる点である味が決め手になったようだ。

もうひとつのメリットは、若いビンナガやカツオの場合、マグロのような「頂点捕食者」の体内に蓄積されていくメチル水銀の含有量が比較的少ないことだ。マグロのメチル水銀はほかの一部の魚種ほどは大きな問題にならないものの、米食品医薬品局(FDA)は安全の基準となる値を1.0ppmとしている。米国で売られているビンナガ製品での平均含有量が0.358ppmであるのに対し、ワイルド・プラネットの製品ではその半分弱の平均0.17ppmに抑えられている。

海産物はとくにタンパク質源として、世界の食料安全保障に引き続き重要な貢献をしている。漁業管理は水産資源の持続可能性にとって重要なばかりか、混獲のような漁業の付随的影響を和らげるうえでも重要である。

ワイルド・プラネットの成功は、大切な種への影響を軽減する漁法をベースにした「責任ある調達」というメッセージが、小売業者や消費者に受け入れられていることを示している。そこに「おいしさ」が加わったとき、製品の人気はますます高まるということだろう。

forbes.com 原文

編集=江戸伸禎

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