カニエ・ウェストが「250億円」で楽曲の権利の売却を画策中

カニエ・ウェスト(Getty Images)

カニエ・ウェスト(Getty Images)

ビルボードは9月19日、関係筋の話としてラッパーのカニエ・ウェストが自身の楽曲カタログの売却先を探していると報じた。ウェストはその翌日のインスタグラムの投稿で、「私の曲が、私の知らないところで売りに出されているようだ」と述べ、その状況がテイラー・スウィフトに似ていると語った。

ウェストは、インスタグラムのストーリーへの投稿で、彼の楽曲の権利が「売り物ではない」と述べている。

ビルボードによると、ウェストは自身の楽曲カタログの売り値として、彼が得る年間の出版使用料の最大35倍を求めているという。これは、ほとんどのソングライターが通常求める30倍よりも高い評価で、最も著名なアーティストでも稀な額という。

ビルボードは、ウェストのカタログに掲載されている曲が、年間1325万ドル以上の出版使用料を生み出すと推定している。そのうち彼の取り分がいくらになるかを割り出すのは困難だが、関係筋によると、彼のの取り分は年間500万ドルにのぼるという。この額の35倍ということは、およそ1億7500万ドル(約250億円)と試算できる。

この売却話は、ソニー・ミュージックが管理しているとされ、関係者はビルボードに対し、「ここ数カ月で売却活動が鈍化した」と述べた。また、ウエストが積極的にカタログの売却を模索しているわけではないが、オファーを受けた者もいるという。

フォーブスは、ウエストにコメントを求めている。

「まるでテイラー・スウィフトみたいだ」と、ウェストはインスタグラムで述べた。スウィフトは、音楽活動を始めた当初にレコード契約を結んだビッグ・マシーン・レコードが2018年に買収されたことにより、原盤権を奪われたと主張している。原盤権は音楽マネージャーのスクーター・ブラウンに売却されたが、ブラウンはスウィフトがこの契約について知らされていなかったことを否定した。

その後、ブラウンは原盤の所有権を投資ファンドのシャムロックキャピタルに売却し、スウィフトは所有権を取り戻すため、最初の6枚のアルバムを再レコーディングし、再びリリースしている。

ウェストはこれまで12枚のスタジオアルバムをリリースしている。昨年、彼はアルバム「Donda 2」を自身のステムプレイヤー(Stem Player)限定でリリースした。

フォーブスは現在のウェストの保有資産を20億ドルと試算しているが、彼のスニーカーラインYeezyを生産しているアディダスとの契約が切れれば、10億ドル以下に下がる可能性がある。

ここ数年は、大物アーティストの楽曲カタログの売却が相次いでおり、ボブ・ディランやデヴィッド・ボウイ、ポール・サイモンなどのカタログが売却された。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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