先述の調査からは、これほど深刻な不満には直接対処しなければならないことが明確に示されている。
リーダーシップIQの「Why Company Values Are Falling Short(なぜ会社の価値観が達成されていないのか)」の調査では、部下が会社の価値観を守ることを求める直属の上司はわずか3分の1であることが分かっている。しかし、部下に対し会社の価値観に沿った仕事をするよういつも求めている上司の下では、それが全くない上司の下で働く場合よりも従業員のエンゲージメントが80%ほど高かった。
また「The Risks Of Ignoring Employee Feedback(従業員フィードバックを無視するリスク)」の調査からは、仕事での問題を上司と共有したら必ず建設的な反応があると答えた人はわずか23%であることが分かった。しかし、建設的な反応をする上司の部下は、現雇用主を勤務先として強く勧める可能性が約12倍だった。
これら全てが示すポイントはシンプルなものだ。それは、残留手当などを考える前に、従業員の不満について直接尋ねて解決すべきというものだ。
労働力不足を嘆いたりいくつか福利厚生を設けたりする方がもちろん楽だが、これらはせいぜい短期的な対応策でしかない。最悪の場合、こうした表面的な試みは最も優秀な従業員を遠ざけ、いら立たせてしまう。
全ての従業員の不満を解消できるという保証はないが、この対話とプロセスを始めなければ、最も優秀な社員を引き留めておける可能性は減るばかりだ。
(forbes.com 原文)