英国王室史上、最長の在位期間
逝去したエリザベス女王の人生についてはすでに多くの報道があるが、ここでも以下簡単にまとめよう。
バッキンガム宮殿は、エリザベス2世が9日午後、スコットランドにある女王の私有地、バルモラル城で亡くなったことを発表した。こうして女王は、英国王室の中で最も長い在位期間である70年間王座に君臨し、第二次エリザベス朝時代が幕を閉じたのである。
本日未明、女王は病状が急速に悪化したため医師の厳重な監視下に置かれ、孫のウィリアム王子とハリー王子(いくつかの行事のためヨーロッパに滞在中)とともに4人の子供全員がスコットランドの城に駆けつけ、女王の最後の瞬間に立ち会った。
エリザベス女王は世界で最も長く在位した国家元首であり、英国王室の中で最も長く在位した人物である。
女王はウィンストン・チャーチルの2期目から始まる15期の英国首相の任期中に王座につき、ハリー・トルーマン大統領以降の13人の米国大統領(リンドン・B・ジョンソン大統領を除く)にも面会している。
伯父の「道ならぬ」? 結婚からの父即位、10歳で継承順位1位に
エリザベス女王は長い王国の歴史の中で最も長く君臨した女王であるが、実はもともと王位につくはずではなかった。
彼女の父、ジョージ6世は王位継承順位2位だったが、1936年、兄のエドワード8世が離婚歴のあった恋人ウォリス・シンプソンと結婚するために退位(イングランド国教会は離婚者の元配偶者が存命の場合、教会での再婚を認めなかった)したために即位。エリザベスは10歳にして継承順位1位となったのである。
そして父の死から1年後の1952年、エリザベスは25歳で女王に即位し、人生のほぼ4分の3を王座で過ごすことになった。
エリザベスは1926年、ロンドンのメイフェアで、父方は英国王室、母方はスコットランドの貴族の家系に生まれた。誕生当時、エリザベスの父方の祖父である国王ジョージ5世が王位にあり、エリザベスは王位継承権第3位であった。1930年に妹のマーガレット王女が誕生し、2002年にマーガレットが亡くなるまで2人は仲睦まじく過ごした。
エリザベスは1947年、ウェストミンスター寺院で、三従兄妹(みいとこ)のフィリップ殿下と結婚した。1939年、13歳のときに出会ってから8年後のことだった。73年間連れ添ったフィリップ殿下は、昨年4月、100歳の誕生日を数週間後に控えて亡くなった。
晩年、女王は健康上の問題を抱え、王室の儀式や行事に参加することができなかった。女王には4人の子供がいる。チャールズ皇太子、アン、アンドリュー、エドワード、8人の孫、12人の曾孫がいる。
(Forbes Israel 原文)