ビジネス

2022.09.06 09:00

実店舗ビジネスの主要動向2022、進む小売業のイノベーション


真のオムニチャネル戦略が小売業の将来にとって重要であることは明らかだ。

地元にフォーカスする


ABerlin AgencyのPRコンサルタントであるアマンダ・べーリンは「実店舗のビジネスは、各種コラボレーションやイベントマーケティングに取り組む必要があり、メディアと関わるとしても、地元のメディアに焦点を当てる必要があります」という。

彼女は、同じターゲット顧客を持ち、新しいオーディエンスや顧客にブランドを紹介できる、地域の戦略的パートナーを特定することが重要だと提言している。

べーリンはさらに「こうしたコラボレーターとともに、実店舗の経営者は見込み顧客を店舗に引き込むための体験をつくり出すことができます。パンデミックの最中に痛切に感じられていた、オンライン体験では得られないものを提供するのです。コラボレーターといっしょにイベントを作り上げることで、イベントの認知度が高まり、新しい顔ぶれを呼び込むことができます。メディアの選択肢が増え、ポッドキャストやオンラインマガジンなどのオンラインメディアを簡単に使えるようになった今、実店舗を持つ企業は地域のオーディエンスに訴求することに集中する必要があるのです。メディアリレーションは、ターゲットを絞り、地域のビジネスチャンスに焦点を当てている場合にのみ行うようにしましょう」と付け加えた。

体験型マーケティング


予想できることだが、買い物客が実店舗に戻ってくる理由は店員と話す、商品を実際に見て触れる、魅力的なイベントに参加するといった体験ができることに尽きる。体験型マーケティングは、ブランドの開放性と売上の向上に大きく貢献する。

BDY Consultのデジタルマーケティングコンサルタントのアデビコラ・ジャオは「小売店舗で頻繁に体験型アクティビティを行うことは、来店者を増やし、できるだけ長くその店舗に滞在してもらうための重要な戦略です。そうした時間が大切なのです。消費者は製品の品質と同様に体験をも重視するようになっているので、規模を問わず小売業者は、販売する製品そのものを超えた体験を作り出すことが極めて重要なのです。店頭での活性化は、お客様との信頼関係を築き、より深いつながりをもたらします」と語る。

実店舗は、店内での体験を向上させ、買い物客に付加価値を与える方法を常に模索しなければならない。それがサービスの追加、顧客の不便な点の解消、体験型イベントなどのいずれだとしても、顧客を飽きさせず、リピーターになってもらうためには、必ず必要なことなのだ。

世界的パンデミックがもたらした挑戦は、企業に戦略の見直しを迫り、小売業のイノベーションを前進させた。実店舗は、小売業界の動向を常に把握し、独自のビジネスチャンスをつかむ必要がある。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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