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2022.05.16

世界の小売企業ランキング、アマゾンが独走 グローバル2000

Hadrian / Shutterstock.com

アマゾンはここ2年近くの間、“ハイパードライブ”を続けてきた。新型コロナウイルスのパンデミックによって急増した巣ごもり需要に対応するため、フルフィルメントネットワークを2倍の規模に拡大。従業員を8万人以上採用した。

その結果、同社の売上高はパンデミックの間に70%近く増加。4700億ドル(約61兆円)に達し、時価総額は1兆ドルを超えた。そして、先ごろフォーブスが発表した売上高と利益、資産、時価総額に基づく世界の公開会社のランキング、「グローバル2000」では、前年から4ランクアップの6位となった。小売企業のなかでは、2位の米最大手ウォルマートに大差をつけての首位となっている。

ただ、そのアマゾンも現在、従来の形に戻り始めた消費パターンと、コストの上昇などと戦っている。消費者が再び実店舗で買い物をするようになったことから、直近の四半期(2022年1~3月)にはオンラインでの売上高が前年比およそ3%減少。人件費のほかサプライチェーンに関連したコストの上昇を受け、四半期ベースで7年ぶりの損失を計上している。

ウォルマートは全体で23位


小売企業で2位の米ウォルマート(全体での順位は23位)も、パンデミックで売り上げを大幅に伸ばした1社だ。購入した食料品その他の必需品を店外の駐車場で受け取るカーブサイド・ピックアップや、近隣の店舗からの配達など、商品の受け取り方のオプションを増やしたこともあり、売上高は(パンデミック前の)2019年以降、およそ9%増加し、5730億ドルに達した。
また、ウォルマートの株価はパンデミックの間に28%上昇。時価総額は4300億ドルを超えた(この評価基準での同社の順位は、14位)。

小売企業で3位のアリババ(全体では33位)は、年間売上高は1090億ドルでウォルマートの5分の1の程度であるものの、中国国内では依然として、支配的な地位を維持している。ただ、アリババは規制当局からの監視の強化や、競合他社との競争の激化などに直面している。

実店舗が復調


パンデミックの初期に業績を上げた小売企業の多くは、その後は順位を落としている。

一方、消費者が再びパーティーやコンサ ートに出掛け、会議に出席するようになるなか、適切な服装のために買い物をするようになったことにより、業績が伸び始めた企業もある。例えば、米百貨店メーシーズはパンデミックの初期には苦戦したものの、今年のグローバル2000では975位となり、前年から494ランクアップした。

小売業トップ20


最新のグローバル2000に入った大手小売企業の上位20社は、以下のとおりとなっている(かっこ内は全2000社中の順位)。

#1 アマゾン(6位)/米国
#2 ウォルマート(23位)/米国
#3 アリババ(33位)/中国
#4 CVSヘルス(42位)/米国
#5 ホーム・デポ(76位)/米国
#6 コストコ(122位)/米国
#7 ターゲット(149位)/米国
#8 ウォルグリーン(156位)/米国
#9 ロウズ(161位)/米国
#10 インディテックス(300位)/スペイン

編集=木内涼子

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