ビジネス

2022.09.04 09:00

海の上で暮らす日が来る?海上建築スタートアップ 「N-ARK」とは


-----------------------------------------------------------------------------------------
Session5

「ESG経営とテックイノベーション」
出演者:N-ARK代表/田崎有城、Deep Dive事業パートナー/​​石丸晋平
ゲスト:横河電機常務執行役員マーケティング本部長 CMO/阿部剛士
モデレーター:Forbes JAPAN執行役員 Web編集長/谷本有香
-----------------------------------------------------------------------------------------

Session5では、横河電機常務執行役員マーケティング本部長の阿部剛士さんをゲストに迎え、「ESG経営とテックイノベーション」についてセッション。



阿部さんは、1985年現インテルに入社後、インテル・アーキテクチャ技術本部本部長やマーケティング本部長、製造技術本部本部長を歴任し、取締役兼副社長執行役員に就任。2016年、横河電機に入社し、現在、R&D、M&A、事業計画などを傘下に持つマーケティング本部を統括している。芝浦工業大学専門職大学院技術経営/MOT修了。同大学地域環境システム専攻博士課程修了。


横河電機常務執行役員マーケティング本部長CMO/阿部剛士

技術職を経てマーケティング畑に携わり、環境問題にも特化している阿部さんからは、「日本ほどマーケティングが遅れている国はないと身を持って実感しています。販売促進だけを目的とするのでなく、広義となっているのがマーケティングだと思っています」と率直な意見が。

「例えば、あなたの会社には。CMO(最高マーケティング責任者)はいらっしゃいますか?日本の企業300社の中で、2016年には0.3%しかCMOがいないのが現状なのです。マーケティングドリブンの会社しか生き残れない。ESG評価とテックドリブンと資金は、並行的になっているはずなのに、日本の場合は、難しいのが実情。

投資家は、財務指標重視から、ヒューマンキャピタル、ブランド、ESGといった非財務指標を重要視するようになってきました。つまり、ESG経営が必須な時代です。


Deep Dive事業パートナー​​石丸晋平氏

ESGの重要性は、近年急速に高まっており、企業経営者や投資家及び政府の懸念材料のひとつになっている。欧米に於いては、株主以外の、より広いステークホルダーを尊重するというSDGs重視の潮流が、1980年代から根付いている株式至上主義からのパラダイムシフトを意味することでもある。動き出したN-ARKの海上建築ビジネスは、企業に対し、人に対し、環境に対して、どういった価値を生み出し還元できるかを、常に考える必要がある。

阿部さん率いるマーケティング本部は技術R&D部門も一緒になっている。阿部さんの技術とマーケティングに対しての深い洞察から横河電機での新たなイノベーション領域開発として、宇宙、バイオ、海に関しての研究開発を積極的に行っている。海に関しては海中での新たな養殖技術や、海洋深層水を活用した技術開発など、横河電機におけるESG経営に対しての実践的なアプローチとして海のテックイノベーションを推進している。

横河電機のパーパスは、「測る力とつなぐ力で、地球の未来に責任を果たす。」と設定しました。気候変動という地球の未来を脅かす事態に対して、横河電機は過去に石油プラントのエネルギーマネージメントで大きく成長していきた企業ですから、その功罪の責任を負っている自覚があります。その功罪を取り戻すだけでなくプラスに転換していく力としてしっかり責任を果たしていきたいと強く思っていますと、阿部さんは力強く語りセッションは締め括られた。

海上建築を実現するキーワード:
『マーケットドリブン』
『株式市場主義からのパラダイムシフト』
『どういった価値を還元するか』
次ページ > 海上建築実現のキーワード

文=中村麻美

ForbesBrandVoice

人気記事