次世代メモリは2032年までに6兆円市場に成長

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次世代メモリは急成長を始めており、2032年までに約440億ドル(6兆1635億円)の市場になる見込みだ。半導体専門の調査機関Objective AnalysisとCoughlin Associatesが発表したレポート「Emerging Memories Enter the Next Phase(次世代メモリは次の段階に)」で明らかになった。

SoCの設計者やユーザーはより競争力のある消費電力とシステム応答性を実現すべく、すでにこれらの新しい不揮発性メモリを最先端の設計に組み込んでいる。

次世代メモリはNOR型フラッシュ、SRAM、DRAMなどの既存技術に置き換わり、市場はまず440億ドル規模に成長する。新しいメモリは単体のメモリチップと、マイクロコントローラやASIC、さらには計算プロセッサ内に組み込まれたメモリの両方で置き換わり、その後、独自の新市場を創り出すと予想される。

レポートでは、独立して動作するMRAM(磁気抵抗メモリ)とSTT-RAM(スピン注入メモリ)の売上高が約14億ドル(約1960億円)に、つまり2021年の独立動作型MRAMの売上高の30倍以上に成長するとしている。一方、組み込み型ReRAM(抵抗変化メモリ)とMRAMはSoCの組み込み型NORとSRAMに取って代わり、さらなる収益成長を促す。

これらの次世代メモリタイプの多くは異なる材料やプロセスをサポートするための新しい設備を必要とし、これが資本設備市場の成長を後押しする。MRAM製造設備の総売上は2021年の49倍以上に成長し、2032年には約15億ドル(約2100億円)に達する見込みだ。

新しい不揮発性メモリは民生用、産業用、企業用アプリケーションの来たるコンピューティングシステムにおいてより大きな役割を果たす。より多くのデータを取得・分析する必要性と、システムのエネルギー消費量を削減する要件が背景にある。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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